再考 二次関数の最大・最小

x についての 二次関数 \(f(x)=x^2-2kx+k+2\)について
k は 定数とします。
0 ≦ x ≦ 3 における f(x) の最大値を M, 最小値を m とします。
M, m を k を用いて表してみましょう。
思い切って,一般化してみます。
\(f(x)=(x-k)^2+q\) とします。
q は x については 定数であるとします。 一般には k については 関数となりますが, f(k) = q ですので,
\(f(x)=(x-k)^2+f(k)\) と表すことができます。
いま,x2 の係数は 1 で正の数ですから,
f(x) は x ≦ k で 単調に減少する
f(x) は k ≦ x で 単調に増加する ので
x = k で最小値 f(k) をとります。
区間 a ≦ x ≦ b における f(x) のとりうる値の範囲を考えてみましょう。
この区間における f(x) の
最大値を k の関数として,M(k)
最小値を k の関数として,m(k) と書くことにします。
区間の制限を外して,最小値の定義から 任意の x に対して f(x) ≧ f(k) が成り立ちます。
特に, f(a) ≧ f(k), f(b) ≧ f(k) です。
f(k) は k の関数ですので,,m0(k) と書くことにします。
f(a) は k の関数ですので,,ma(k) と書くことにします。
f(b) は k の関数ですので,,mb(k) と書くことにします。
最小値 m(k) については,
(i) a ≦ k ≦ b のとき,m(k) = m0(k) となります。
(ii) k < a のとき,
区間 a ≦ x ≦ b では f(x) は単調に増加しますので,
m(k) = f(a) ( = ma(k) )
(iii) b < k のとき,
区間 a ≦ x ≦ b では f(x) は単調に減少しますので,
m(k) = f(b) ( = mb(k) )
最大値 M(k) について考えてみます。
最大値は f(a) か f(b) ですので,
まず,f(a) = f(b) となる k の値を求めてみます。
\(f(b)-f(a)=(b-k)^2-(a-k)^2\) \(=(b-a)(a+b-2k)\)
いま, a は b より小さいので, f(a) = f(b) となるのは \(k=\frac{a+b}{2}\)のときです。
また,
\(k< \frac{a+b}{2}\) のとき f(a) < f(b)
\(k> \frac{a+b}{2}\) のとき f(a) > f(b)
であることがわかります。
(i) \(k=\frac{a+b}{2}\) のとき,M(k) = f(a) = f(b) となります。
(ii) \(k < \frac{a+b}{2}\) のとき, M(k) = f(b) ( = mb(k) )
(iii) \(k > \frac{a+b}{2}\) のとき, M(k) = f(a) ( = ma(k) )
M(k), m(k) をグラフにしてみましょう。
M(k), m(k) は ma(k), mb(k), m0(k) の3つの式で表されます。
ここで,f(a), f(b), f(k) の関係から
\(m_a(k)=m_0(k)+(k-a)^2\), \(m_b(k)=m_0(k)+(k-b)^2\) です。
また,\(m_a\left(\frac{a+b}{2}\right)=m_b\left(\frac{a+b}{2}\right)\)
さらに,
\(m_a(k)-m_0(k)=(k-a)^2\) より,
\(\frac{d}{dk}(m_a(k)-m_0(k))=2(k-a)\)
ma(a) = m0(a) = m(a)
2つのグラフ y = ma(k) と y = m0(k) は 点(a, m(a)) で 共通の接線をもちます。 点(b, m(b)) についても同様です。

似た問題もどうぞ。こちら
閉区間の2次関数のとりうる値の範囲についてまとめてみました。