ほぼ毎日の演習 230301

YouTube 確率 玉を並べる
東京大 2023
黒玉3個、赤玉4個、白玉5個が入っている袋から玉を1個ずつ取り出し、 取り出した玉を順に横一列に12個すべて並べる。 ただし、袋から個々の玉が取り出される確率は等しいものとする。
(1) どの赤玉も隣り合わない確率 p を求めよ。
(2) どの赤玉も隣り合わないとき、どの黒玉も隣り合わない条件付き確率 q を求めよ。
玉に番号を振ります。
1, 2, 3 を黒玉,  4, 5, 6, 7 を赤玉,  8, 9, 10, 11, 12 を白玉に振ります。
(1)
「隣り合わない」場合を数える有名な方法を使います。
玉を置く場所に 1 から 17 まで順に番号を振ります。
黒玉 1, 2, 3, 白玉 8, 9, 10, 11, 12 は偶数の場所に置きます。
赤玉 4, 5, 6, 7 を 9個の奇数のうち 4つの場所 に置きます。
黒玉、白玉を置く場合の数は 8! 通りあります。
赤玉を置く場合の数は \(\dfrac{9!}{5!}\) 通りあります。
12個の玉を並べる 12! 通りは同様に確からしく起こる。
よって、\(p=\dfrac{8!~9!}{12!~5!}=\dfrac{14}{55}\)
(2)
「どの赤玉も隣り合わない」場合に占める 「どの黒玉も隣り合わない」かつ「どの赤玉も隣り合わない」場合の割合を 求めればよいことになります。
「隣り合う黒玉がある」かつ「どの赤玉も隣り合わない」場合の数を数えます。
(i)「黒玉は3つとも隣り合う」かつ「どの赤玉も隣り合わない」場合の数を数えてみます。
玉を置く場所に 1 から 13 まで順に番号を振ります。
偶数には3つまとめた黒玉 1, 2, 3 か白玉 8, 9, 10, 11, 12 を置きます。
この場合の数は \(6!~3!\)です。
赤玉 4, 5, 6, 7 を7個の奇数のうち 4つの場所 に置きます。
赤玉を置く場合の数は \(\dfrac{7!}{3!}\) 通りあります。
(i)の場合の数は \(6!~7!\) 通りです。
(ii)「黒玉は2つだけ隣り合う」かつ「どの赤玉も隣り合わない」場合の数を数えてみます。
(ii-1) 黒玉1, 2, 3 を2個と1個のA, B 2つに分け、 これと白玉を並べます。
黒玉の分け方は 6 通りあります。
実際 [A, B] = [[1 2], 3], [[2 1], 3], [[1 3], 2], [[3 1], 2], [[2 3], 1], [[3 2], 1]
玉を置く場所に 1 から 15 まで順に番号を振ります。
A, B と白玉 8, 9, 10, 11, 12 は偶数の場所に置きます。
この置き方は \(7!\cdot 6\) 通りあります。
赤玉 4, 5, 6, 7 は8個の奇数のうち 4つの場所 に置きます。
赤玉を置く場合の数は \(\dfrac{8!}{4!}\) 通りあります。
(ii-1)の場合の数は\(\dfrac{7!\cdot 6\cdot 8!}{4!}\) 通りです。
(ii-2)
(ii-1)には、例えば
[1 2] 3 4 8 5 9 6 10 7 11 12 や
1 [2 3] 4 8 5 9 6 10 7 11 12 も含まれています。
これらは、 (i)「黒玉は3つとも隣り合う」かつ「どの赤玉も隣り合わない」場合です。
「隣り合う黒玉がある」かつ「どの赤玉も隣り合わない」場合の数をまとめます。
(i) \(6!~7!=7!\cdot 6\cdot 120\) … ①
(ii-1) \(\dfrac{7!\cdot 6\cdot 8!}{4!}\) \(=7!\cdot 6\cdot 1680\) … ②
(ii) は ② - ① × 2 です。
以上より \(7!\cdot 6\cdot 1560\) 通り … ③ です。
よって、 \(1-q=\dfrac{7!\cdot 6\cdot 1560}{8!\cdot 9\cdot 8\cdot 7\cdot 6}\)
すなわち、 \(q=\dfrac{103}{168}\)
(iii)「黒玉は2つだけ隣り合う」かつ「どの赤玉も隣り合わない」場合の数は 次のように計算することもできます。
(iii-1) 黒玉2つと1つの間に必ず白玉がある場合を数えます。
まず、黒玉、白玉を並べます。
黒玉1, 2, 3 を2個と1個のA, B 2つに分けます。
これは 6 通りあります。
黒玉 A, B, 白玉 8, 9, 10, 11, 12 を置く場所に 1 から 11 まで順に番号を振ります。
偶数には白玉 8, 9, 10, 11, 12 を置きます。
この場合の数は 5! 通りです。
黒玉 A, B を6個の奇数のうち 2つの場所 に置きます。
黒玉を置く場合の数は \(\dfrac{6!}{4!}\) 通りあります。
赤玉を並べます。
玉を置く場所に 1 から 15 まで順に番号を振ります。
偶数には黒玉 A, B か白玉 8, 9, 10, 11, 12 を置きます。
この場合の数は \(\dfrac{5!~6!\cdot 6}{4!}\) 通りです。
赤玉 4, 5, 6, 7 を8個の奇数のうち 4つの場所 に置きます。
赤玉を置く場合の数は \(\dfrac{8!}{4!}\) 通りあります。
(iii-1) の場合の数は\(\dfrac{5!~6!\cdot 6\cdot 8!}{4!~4!}\) 通りです。
(iii-2) 黒玉2つと1つの間に赤玉が1つある場合を数えます。
例えば、1423 のように、 黒玉1, 2, 3 を 一列に並べ真ん中の玉の前または後ろに赤玉をどれか1つ入れます。
これが 48 通りあります。
玉を置く場所に 1 から 13 まで順に番号を振ります。
偶数には黒3赤1のセットか白玉 8, 9, 10, 11, 12 を置きます。
この場合の数は \(6!\cdot 48\) 通りです。
赤玉3個を7個の奇数のうち 3つの場所 に置きます。
赤玉を置く場合の数は \(\dfrac{7!}{4!}\) 通りあります。
(iii-2) の場合の数は\(\dfrac{6!\cdot 48 \cdot 7!}{4!}\) 通りです。
「隣り合う黒玉がある」かつ「どの赤玉も隣り合わない」場合の数をまとめます。
(iii-1) \(\dfrac{5!~6!\cdot 6\cdot 8!}{4!~4!}=7!\cdot 6\cdot 1200\)
(iii-2) \(\dfrac{6!\cdot 48\cdot 7!}{4!}=7!\cdot 6\cdot 240\)
(i) \(6!~7!=7!\cdot 6\cdot 120\)
以上より \(7!\cdot 6\cdot 1560\) 通りです。
これは ③ と一致しています。