141116 初版 141116 更新
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三角比

2直線 l, m が交わっているとして交点を A とする。
便宜上 l を水平線とする。 l 上の点で A より 右に 点 X をとる。
直線 m 上の A 以外の点 B をとる。 B は l より上の点とする。
B から l に垂線 BC を引く。
いま,∠BAX は鋭角とする。
B の取り方に応じて直角三角形ABC ができるが, どれも相似である。
比 AB : BC : CA は l と m とのなす角だけで決まる。
このとき,θ の三角比の値を次のように定義する。
∠BAX = θ とおいて,

\(\dfrac{\rm BC}{\rm AB}\) を θ の 正弦 といい sin θ で表す。

\(\dfrac{\rm AC}{\rm AB}\) を θ の 余弦 といい cos θ で表す。

\(\dfrac{\rm BC}{\rm AC}\) を θ の 正接 といい tan θ で表す。

θ の三角比の値は, ∠BAX の大きさだけで決まって,B の取り方には依らない。
B は m 上にとって,l へ 垂線BC を引いても同じである。
線分 AC を 線分 AB の 直線 l への射影という。
(ベクトル \(\overrightarrow{\rm AC}\) は, \(\overrightarrow{\rm AB}\) の \(\overrightarrow{\rm AX}\) への射影ベクトルという。)

いま,∠BAX は鈍角とする。
三角比を次のように拡張する。
A を通り l と垂直な直線 n を引く。 n 上の点で A より 上に 点 Y をとる。
直線 n に関して B と対称な点 B' をとる。
B' から l に垂線 B'C' を引く。 A に関して C と C' は対称である。
すなわち AC = AC'
このとき,θ の三角比の値を次のように定める。
∠BAX = θ とおいて,

\(\dfrac{\rm BC}{\rm AB}\) を θ の 正弦 といい sin θ で表す。

\(\dfrac{-\rm AC}{\rm AB}\) を θ の 余弦 といい cos θ で表す。

\(\dfrac{\rm BC}{-\rm AC}\) を θ の 正接 といい tan θ で表す。

(注) ただ AC と書いたら,長さなので正の数である。