(問題)

\(x > 0\) のとき,不等式\(x+\dfrac{1}{x}\geqq 2\) が成り立つことを証明せよ。
また,等号が成り立つのはどのようなときか。
(証明)
正の数 \(A\), \(B\) で  \(A+B\geqq 2\sqrt{AB}\) … ① が成り立つ。
\(A = x\),  \(B = \dfrac{1}{x}\) とおくと
① より \(x+\dfrac{1}{x}\geqq 2\) が成り立つことがいえた。
① で等号が成り立つのは \(A=B\) のときだから,
問題の不等式で等号が成り立つのは \(x> 0\) かつ \(x=\dfrac{1}{x}\),
すなわち, \(x=1\) のときである。

(問題)

\(a > 0\), \(b > 0\) のとき,不等式\((a+b)\left(\dfrac{1}{a}+\dfrac{1}{b}\right) \geqq 4\) が成り立つことを証明せよ。
また,等号が成り立つのはどのようなときか。
(証明)
\((a+b)\left(\dfrac{1}{a}+\dfrac{1}{b}\right)-4\)
\(=\dfrac{a}{b}+\dfrac{b}{a}-2\)
ここで, 正の数 \(A\), \(B\) で  \(A+B\geqq 2\sqrt{AB}\) … ① が成り立つ。
\(A = \dfrac{a}{b}\),  \(B = \dfrac{b}{a}\) とおくと  ① より \(\dfrac{a}{b}+\dfrac{b}{a}\geqq 2\)
ゆえに,この式は どんな 正の数 a, b に対しても 0 以上の値をとる。
よって,不等式が成り立つことがいえた。
① で等号が成り立つのは \(A=B\) のときだから,
問題の不等式で等号が成り立つのは \(a> 0\), \(b> 0\) かつ \(\dfrac{a}{b}=\dfrac{b}{a}\),
すなわち, \(a=b\) のときである。