150422 初版 150422 更新

整式の除法

整式 A, B において,
A = BQ となる 整式 Q があるとき,
A は B の倍数, B は A の約数であるという。
例えば,
\(x^2+2x+1\) や \(x^2+3x+2\) は x + 1 の倍数である。
x + 1 は \(x^2+4x+3\) の約数である。

整式 A, B において,
A - BQ を R とおく。
R が 0 であるかまたは,Rの次数が B の次数より小さいように Q を定める。
このことを A を B で割るといい,
Q を商,R を余りという。
例えば,
\(x^2+4x+5\) を x + 1 で割ると
商は x + 3, 余りは 2 である。

\(x^3-x^2+x-1=(x^2+x+1)(x-2)+2x+1\)
\(x^3-x^2+x-1\) を \(x^2+x+1\) で割ると 商が \(x-2\) で余りは \(2x+1\) である。
一般に A を B で割るということは,
A - BQ = R を満たす Q, R を見つけることである。
ここで, R は 定数であるか,B より次数の低い式である。

実際の手順を見ていこう。

\(A=x^3-x^2+x-1\),   \(B=x^2+x+1\) として,
\(A-BQ_1=A_1\) を満たす Q1, A1 を見つけよう。
(A1 は A より次数の低い式)
\(Bx=x^3+x^2+x\) だから,  \(A-Bx=-2x^2-1\)
\(A_1-BQ_2=A_2\) を満たす Q2, A2 を見つけよう。
(A2 は A1 より次数の低い式)
\(-2B=-2x^2-2x-2\) だから,  \(A_1+2B=2x+1\)
したがって, \(A=B(x-2)+2x+1\)

筆算では … つづく