直線の方程式 220316

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平面上の直線の方程式について考えます。
そもそも、図形の方程式とは
つぎのような x, y についての関係式 F のことです。
I 図形上の点の座標(x, y) は 関係式 F を満たす。
II 逆に 関係式 F を満たす(x, y) は図形上の点の座標である。
そもそも直線とはどのような図形でしょうか。
図形 ℓ 上の2点 A(xa, ya), B(xb, yb) について、 \(\dfrac{y_b-y_a}{x_b-x_a}\) を 線分AB の傾きといいます。
関数の言葉では、平均変化率です。
真直ぐな線ということは、図形上のどんな2点をとっても、 傾きはとり方によらないということでしょう。
直線 ℓ は、点 A(x1, y1) を通り、 傾き m とします。
A でない ℓ 上の点を P(x, y) とすると、
傾きの定義から \(\dfrac{y-y_1}{x-x_1}=m\) ですから、
P は \(y=m(x-x_1)+y_1\) … ① を満たします。
逆に、① を満たす (x, y) は A を含め、 ℓ 上の点であることが分かりますから、
① は直線 ℓ の方程式です。
直線の方程式は、 ax + by + c = 0 (a, b, c は定数)… ② であることがわかります。
逆に(論理って大切です)、 x, y の1次方程式 ② は直線を表すでしょうか?
a, b のうち少なくとも一方は0 でないとします。
a = 0 のとき、点\(\left(0, -\frac{c}{b}\right)\) を通り、 x 軸に平行な直線です。
b = 0 のとき、点\(\left(-\frac{c}{a}, 0\right)\) を通り、 x 軸に垂直な直線です。
a, b いずれも 0 でないときはどうでしょうか。
② を満たす異なる任意の2組の (x, y) について、
\(ax_1+by_1+c=0\),  \(ax_2+by_2+c=0\) から、
\(a(x_2-x_1)+b(y_2-y_1)=0\)
すなわち、\(\dfrac{y_2-y_1}{x_2-x_1}=-\dfrac{a}{b}\) (一定)
点\(\left(0, -\frac{c}{b}\right)\), \(\left(-\frac{c}{a}, 0\right)\) を通り、 傾き \(-\frac{a}{b}\) の直線です。
方程式 \(y=m(x-x_1)+y_1\) … ① は、 点 A(x1, y1) を通り、 傾きが m の直線でした。
見方を変えれば、
どんな実数 m に対しても、① は 点A を通る直線です。
恒等式の考えともいえます。