120623 初版

MathJaxがあまりにいいので, 調子に乗って書いてみる
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漸化式 その3

\(a_{n+1}=ra_n+pn+q\)
(\(p,q,r\)はもちろん定数) の形の漸化式を解いてみよう。

よくある解法は階差数列に注目する方法である。

\(a_{n+2}=ra_{n+1}+pn+q+p\)であるから
\(a_{n+1}-a_{n}=b_n\)とおくと,\(b_{n+1}=rb_n+p\)
さらにこれは\(k=\frac{p}{1-r}\)を用いて\(b_{n+1}-k=r(b_n-k)\)と変形できるから
\(b_n=(b_1-k)r^{n-1}+k\)
ここで\(b_1=a_2-a_1=ra_1+p+q-a_1=(r-1)a_1+p+q\)
したがって, \(\displaystyle{a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}\left(\left(\left(r-1\right)a_1+\left(p+q\right)+\frac{p}{r-1}\right)r^{k-1} -\frac{p}{r-1}\right)}\)
\(\displaystyle{a_n=a_1+\left(\left(r-1\right)a_1+\left(p+q\right)+\frac{p}{r-1}\right)\cdot\frac{r^{n-1}-1}{r-1} -(n-1)\cdot\frac{p}{r-1}}\)
ゆえに,
\(\displaystyle{a_n=\left(a_1+\frac{p+q}{r-1}+\frac{p}{(r-1)^2}\right)\cdot r^{n-1} -\frac{pn+q}{r-1}-\frac{p}{(r-1)^2}}\)

一般にやってしまえば,こうなるが, この公式は覚えたとしても,それは漸化式フェチへの道である。
日ごろぼやいているように, 漸化式その1は\(p^{n+1}\)で両辺を割って, 擬等比型にもっていく。(今のところ略)
漸化式その2は両辺の逆数を取って, 擬等比型にもっていく。(今のところ略)
というように,形ごとに解法がある。 まあ,まるで微分方程式のようである。

漸化式の解法を知らなくても, 帰納的に展開して行くと

つづく …