121215 初版

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MathJaxがあまりにいいので, 調子に乗って書いてみる
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円\(x^2+y^2=16\)に点A(2,5)から引いた2本の接線について,
接点をP, Qとして,直線PQの方程式を求めよ。
接点の座標を\((X,Y)\)とすると,
円の接線の 公式により,
接線の方程式は\(Xx+Yy=16\)である。
\(Xx+Yy=16\)は点Aを通るので, \(2X+5Y=16\)…(F1)
連立方程式
\(\left\{ \begin{array}{l} X^2+Y^2=16\cr 2X+5Y=16\cr \end{array} \right.\)
を解けば,P, Qの座標を求めることができるのだが,
直線PQの方程式を求めるのが目的だから, そこまでしなくてもよい。
P\((x_1,y_1)\)とすると,これは(F1)の方程式を満たすはずである。
また,Q\((x_2,y_2)\)とすると,これも(F1)の方程式を満たすはずである。
つまり,1次方程式\(2x+5y=16\)は直線を表す方程式であるが,
これは,直線PQの方程式に他ならない。

図形の問題なので, 次のような見方もできるとよい。

原点(円の中心)をOとして,
\(\overrightarrow{\rm OA}=(2,5)\)は直線PQの法線ベクトルである。
したがって,直線PQの方程式は\(2x+5y=c\)とおくことができる。
(ベクトルは図形表現の一手段に過ぎない。 有用な手段ではあるが。)
\(c\)は正の数であることに注意する。
三角形OPQはOP=OQの 二等辺三角形 である。
接線の長さの性質 から三角形APQはAP=AQの 二等辺三角形 である。
したがって,直線OAは弦PQの 垂直二等分線 である。
弦PQの中点をMとする。
直角三角形 OPAと 直角三角形 OMPは相似であり,
OM:OP=OP:OA=\(4:\sqrt{29}\)…(F2)
(三角比 を用いてもよい。 \(\cos\angle{\rm AOP}=\dfrac{4}{\sqrt{29}}\))
点と直線の距離公式 により, \(c=\sqrt{29}\rm{OM}\)
(F2)より,\({\rm OM}={\rm OP}\cdot\dfrac{4}{\sqrt{29}}=\dfrac{16}{\sqrt{29}}\)であるから,  \(c=16\)
したがって,直線PQの方程式は\(2x+5y=16\)