121216 初版

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よくある問題で,四面体の体積を計算してみる。
公式もあるのだが,
問題では,具体的に座標が設定されているし,
誘導も付いているので,
公式を導くのに等しいことをさせている。
公式は,結果のみ覚えるのではない。
自分で導けない公式は,使ってはいけないのではないか。
四面体OABCの体積を計算せよ。
\(\overrightarrow{\rm OA}=\vec{a}\), \(\overrightarrow{\rm OB}=\vec{b}\), \(\overrightarrow{\rm OC}=\vec{c}\), とする。

実際の問題では,座標が設定されていることが多い。

まず,三角形OBCを底面として,
底面積を計算する。

\(S=\triangle{\rm OBC}=\dfrac{1}{2}\sqrt{\left|\vec{b}\right|^2\left|\vec{c}\right|^2-\left(\vec{b}\cdot\vec{c}\right)^2}\)

ある問題では,この公式も証明するに相当することをさせている。

三角形OBCにおいて,辺BC上に点Qをとり,垂線OQを引く。
OQの長さを計算せよ。

いろいろな手法があるが,
今回は 正射影 の考えを使ってみる。

∠OBC=αとして,
\(\cos\alpha=\dfrac{\overrightarrow{\rm BO}\cdot\overrightarrow{\rm BC}}{|\overrightarrow{\rm BO}||\overrightarrow{\rm BC}|}\) \(=\dfrac{\vec{b}\cdot(\vec{b}-\vec{c})}{|\vec{b}||\vec{b}-\vec{c}|}\)
よって, \(\sin\alpha=\sqrt{1-\left(\dfrac{\vec{b}\cdot(\vec{b}-\vec{c})}{|\vec{b}||\vec{b}-\vec{c}|}\right)^2}\) \(=\dfrac{\sqrt{|\vec{b}|^2|\vec{c}|^2-\left(\vec{b}\cdot\vec{c}\right)^2}}{|\vec{b}||\vec{b}-\vec{c}|}\)

\({\rm OQ}={\rm OB}\sin\alpha=\dfrac{\sqrt{|\vec{b}|^2|\vec{c}|^2-\left(\vec{b}\cdot\vec{c}\right)^2}}{|\vec{b}-\vec{c}|}\)
よって,
\(S=\dfrac{1}{2}{\rm BC}\cdot{\rm OQ}\) \(=\dfrac{1}{2}\sqrt{\left|\vec{b}\right|^2\left|\vec{c}\right|^2-\left(\vec{b}\cdot\vec{c}\right)^2}\)
次に,点Aから平面OBCに垂線ARを引く。
Rは平面OBC上の点だから,
\(\overrightarrow{\rm OR}=s\vec{b}+t\vec{c}\) なる\(s\), \(t\)がある。
線分ARは線分OBと垂直だから,
\(\overrightarrow{\rm AR}\cdot\vec{b}=0\) すなわち \(\vec{b}\cdot\overrightarrow{\rm OR}=\vec{b}\cdot\vec{a}\)
\((\vec{b}\cdot\vec{b})s+(\vec{b}\cdot\vec{c})t=\vec{b}\cdot\vec{a}\)

同様に,

線分ARは線分OCと垂直だから,
\(\overrightarrow{\rm AR}\cdot\vec{c}=0\) すなわち \(\vec{c}\cdot\overrightarrow{\rm OR}=\vec{c}\cdot\vec{a}\)
\((\vec{c}\cdot\vec{b})s+(\vec{c}\cdot\vec{c})t=\vec{c}\cdot\vec{a}\)

つづく