130418 初版 130418 更新
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α に 2次の関係式 α2 - pα + q = 0 …① があると,
任意の x の1変数多項式 f(x) に対して, x の1次式 ax + b が存在して, f(α) = aα + b
証明
f(x) = xn のときだけ示せば十分。
数学的帰納法を用いる
(I)  n = 1 のとき成り立つか
f(x) = x に対して,x が結論の1次式そのもの
よって, n = 1 のとき,成り立つ。
(II)  n = k のとき成り立つと仮定して,n = k + 1 のとき成り立つか
xk に対して,ax + b が存在して, αk = aα + b …② を仮定する。
\(\alpha^{k+1}=\alpha^k\cdot\alpha\)  (inductive な考え)
\(=(a\alpha+b)\cdot\alpha=a\alpha^2+b\alpha\)  (②)
\(=a(p\alpha-q)+b\alpha=(ap+b)\alpha-aq\)  (①)
つまり,xk+1 に対して, 1次式 (ap + b)x - aq が存在して, αk+1 = (ap + b)α - aq
よって,n = k のとき成り立つと仮定すると,n = k + 1 のとき成り立つ。
(I)(II)より,すべての自然数 n で成り立つ。

ax + b をどうやって見つけるか。
それは,f(x) を x2 - px + q で割った余りである。
f(x) を x2 - px + q で割ったときの,商を Q(x) とすると,余りは ax + b とかける。
\(f(x)-(x^2-px+q)\cdot Q(x) =ax+b\) だから, x に α を代入すると,aα + b となる。

\(A=\left(\begin{array}{cc} 2 & 0\cr -1 & -1\cr \end{array}\right)\) とすると, \(A^2-A-2E=O\)
\(A^5=(A^2-A-2E)(A^3+A^2+3A^2+5E)+(11A+10E)\)  …③
\(=11A+10E=\left(\begin{array}{cc} 32 & 0\cr -11 & -1\cr \end{array}\right)\)
③ の実際の計算はこちら