121124 初版

MathJaxがあまりにいいので, 調子に乗って書いてみる
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内積と余弦定理について考えてみます。
実は,角の認識がcruxのような感じです。
2つの線分OA, OBを考えます。
ちょっと数学を構成してみます。
角が大きいとか,小さいとかはこの線分の開き具合ですが, 直感的には,ABの距離なんだと思います。
OA=OBのときを考えます。
三角形OABは 二等辺三角形 なので, 角の大きさとABの長さ(弦)は1対1の対応があります。
扇形の弧ABを考えるのはまさに,弧度法の考えです。
OAとOBが等しくなくても,
長さを固定して角AOBを変化させれば,ABの長さとはもちろん1対1の対応で,
その関係をきちんと定式化したのが, 余弦定理です。
\({\rm AB}=c\), \({\rm OA}=a\), \({\rm OB}=b\), \(\angle{\rm AOB}=\theta\)とおいて
\(c^2=a^2+b^2-2ab\cos\theta\)
余弦定理をベクトルで表現したのが内積です。
冒頭に記したように,どれも角の概念です。
余弦定理と内積の定義式を比較して見ます。
\(\overrightarrow{\rm OA}=\vec{a}\), \(\overrightarrow{\rm OB}=\vec{b}\)とおく。
余弦定理 \(c^2=a^2+b^2-2ab\cos\theta\)
内積 \(\vec{a}\cdot\vec{b}=ab\cos\theta\)
したがって,\(\vec{a}\cdot\vec{b}=\dfrac{a^2+b^2-c^2}{2}\)
すなわち,\(\overrightarrow{\rm OA}\cdot\overrightarrow{\rm OB} =\dfrac{{\rm OA}^2+{\rm OB}^2-{\rm AB}^2}{2}\)
このページ三度目ですが,
内積も余弦定理も,角が本質的なものです。
ベクトルで表現されている幾何の問題では, 余弦定理は使わなくても代替として内積を使えば何とかなるでしょう。
大きさ\(|\vec{a}|\), \(|\vec{b}|\)と内積\(\vec{a}\cdot\vec{b}\)の 3つの実数が与えられているということは,三角形が決まるということです。