130107 初版

このあたりは二千年の伝統のある分野である。
理論はとうにできている。
高校の教科書にあるのは,本来理論を 構築する こと自体が目的だから,
以下を安易にみてはいけない。

a, b は整数で,互いに素であるとする。
1次不定方程式 ax+by=1 を互除法を活用して解いてみる。
\((a_1, b_1)=(a,b)\) は \(a > b >0\) で互いに素とする。
\(a_{n}\)を\(b_{n}\)で割った商を\(q_n\), 余りを\(r_n\)として, \(a_{n+1}=b_n\),  \(b_{n+1}=r_n\) とおいて,
方程式の系列 \(a_{n}x_{n}-b_{n}y_{n}=1\) (n=1,2,3,…) をつくる。
定理
\(a_{n+1}x_{n+1}-b_{n+1}y_{n+1}=1\) なる \((x_{n+1},y_{n+1})\) があったとき,
\((x_n, y_n)=\left(-y_{n+1}, -(x_{n+1}+y_{n+1}q_n)\right)\) は, \(a_{n}x_{n}-b_{n}y_{n}=1\) を満たす。
a, b は互いに素だから, \(r_{n-1}=1\)となる n が存在する。
最後の方程式, \(a_{n}x_{n}-b_{n}y_{n}=1\) は \(b_{n-1}x_{n}-y_{n}=1\) だから,
\(x_n=0\), \(y_n=-1\) とおいて,逆算すればよい。

32x-15y=1 を解く。
n 1 2 3
\(a_n\) 32 15 2
\(b_n\) 15 2 1
n 1 2
商 \(q_n\) 2 7
余り \(r_n\) 2 1
n 3 2 1
\(x_n\) 0 1 -7
\(y_n\) -1 7 -15
よって,(x,y)=(-7, -15) がひとつの解である。
x は mod 15, y は mod 32で考えるから,
(x,y) = (8,17) を初期解とするのがよいだろう。

この場合は,このように構成するより,
剰余類を調べた方が簡単だと思う。

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scriptに解かせる ディオファントス計算器