http://goo.gl/MFRFj 120923 初版

このページでは,配布している問題の解説をしていこうと思う。
でも,通常の「これが模範解答です。」というようなものにはしない。
読み手に語りかけるように問題を解いていこうと思う。
よい問題は,その分野の本質が出ている。 逆かもしれなくて,本質の出ている問題がいい問題である。
入試が数学を使う本番というひとが大半だと思うが, そのときの問題は何かよくわからない。 その対策が受験勉強だとしても, 題材の本質が出ている問題を勉強したほうがよい。
あなたの授業はテキトーですね。 ということをよく言われるが, 一度の授業で本質を話そうとは思わないし, そんなことできるほど,数学は軽いものではない。 俺の授業は世界一わかりやすいなどと傲慢な私ではない。 ただ,3年間耐え忍んでいると,数学の神様が微笑んでくれる。
なんで,最後まで解いてくれないのですか。 ということもよく言われるが, 問題を解くときに一番難しいのは, 書き出しである。 諸君の答案をみていると,得点にならないのは,

に大別される。(まだあるかも)
それぞれ,
を鍛えていかなければならない。
問題解説のページでは, 糸口をみつけることと,論理展開を重視している。 計算は各自で補ったほうがよい。 これを読んで,自分なりに解答を作るのがよい。
3年の演習では,そんな授業をしていく。 不思議と問題が解けるようになる。

このあいだ,ある人が言っていたが, (たぶん,今の高校生をみていると,みんな同じことを思うのだろう。)
いい指導者がいれば,自分はもっといい選手になれるのに。 そう思っている高校生や,その親が結構いるようである。
そのひとは,確固としている自分があってこそ, 指導者のアドバイスが効いてくる,のようなことを言っていた。
15歳くらいまでは,親や指導者のおかげで伸びてくるかもしれないが, 本当の実力は,しっかりしている自分の実力である。

先生はできるだけわかりやすい方法で,正しい答えを出してください。 私は真似をします。 のような発言が大変多い。 ああ,ゆとりってかわいそうだなと思う。 おそらく,親がそういう発想なのだろう。 早く親離れして大人になったほうがいい。
少しでも,いままでにないことをやってやろうと思ったひとは, そんな発想にはならない。 下手でもいいから,まず新しいことをやってみたい,というのが イノベーターの発想である。
ゆとり教育は,そういう発想をもっている人に いい機会を与えた。 学校でやることが簡単にできてしまって, 浮いた時間で新しいことをやろうとしたひとと, 学校でやることが簡単にできてしまって, 浮いた時間をゲームなどをしてただ消費していた人では, 格差が拡大してしまったようである。
だから,私たちのころより, オリンピックやワールドカップで国際的な活躍する スポーツ選手,アスリートも増えたし, 数学でも,いい結果を出す若手が多いそうである。
そんな必要はない。 新しいことなんてやらなくていいから, 医者くらいにはなりたい。 というひとには,うまい手がある。 いい参考書を買って,いい塾に通いなさい。 たぶん合格するでしょう。 ただ,医者になるくらいでも, 私の方法のほうが苦しいけど, 実は時間もお金も効率がいい。

10年ほど前に私の勤務校の野球部は, 甲子園の切符を, 決勝 延長 サヨナラ ホームスチールで手に入れた。 ホームスチールの練習はたぶんしていただろう。 でも,それを実戦でしかももっとも緊張する場面で 成功させた。
そんな場面に立ち会えて,そんな生徒を教えることができて 私は大変幸せである。
スポーツと数学は違うじゃないかといわれたら, 社会に出てからその科白を口にできるかと問うてあげよう。
数学も人間生活に欠かせないものとして数千年生き残っている。 スポーツも然りである。 感情を排して純粋に思考に特化したものが数学なのだから。