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まあねえ,数学はそういわれれば全部当たり前なんですよ。

どこかで見た問題でしょうか。
私の好きな問題です。

コインを繰り返し投げて, 表の出た回数がk回になるか,あるいは, 裏の出た回数がk回になった時点で終了する。
ちょうどn回で終了する確率をpnとする。
表が出たことをAで表す。 表が出たことをBで表す。

k=2とする。

AA, AB, BA, BBとなる確率はそれぞれ14だから
p2=12
ABA, ABB, BAA, BABとなる確率はそれぞれ18だから
p3=12

k=3とする。

AAA, BBBとなる確率はそれぞれ18だから
p3=14
3回投げたうちちょうど(A,B)=(2,1), (1,2)となる確率は, (公式)
それぞれ3C123=38だから, p4=38
4回投げたうちちょうど(A,B)=(2,2)となる確率は, (公式)
4C224=38だから, p5=38

k=4とする。

A 4 3 2 1 0
B 0 1 2 3 4
確率 116 416 616 416 116
p4=18,  p5=14
5回投げた時点で終了していない確率は58
これは(A,B)=(3,2), (2,3) の場合である。
どちらの場合も6回目投げると,
12の確率で終了するか(3,3)となる。
したがって,
p6=516,  p7=516
k=4 のとき
n 4 5 6 7
確率 216 416 516 516

k=5とする。

A 5 4 3 2 1 0
B 0 1 2 3 4 5
確率 132 532 1032 1032 532 132
p5=116
ちょうど6回で終了するのは
(A,B)=(4,1)でAが出るか, (A,B)=(1,4)でBが出るかである。 (公式)
p6=532
ちょうど7回で終了するのは
(A,B)=(4,2)でAが出るか, (A,B)=(2,4)でBが出るかである。 (公式)
p7=6C426=1564
ちょうど8回で終了するのは
(A,B)=(4,3)でAが出るか, (A,B)=(3,4)でBが出るかである。 (公式)
p8=7C427=35128
ちょうど9回で終了するのは
(A,B)=(4,4)でAが出るか, p9=8C428=70256 (公式)
k=5 のとき
n 5 6 7 8 9
確率 16256 40256 60256 70256 70256

一般に

kを与えたとき, k なる n に対して,
p_n=\dfrac{{}_{n-1}C_{k-1}}{2^{n-1}} (公式)

さて,

kを与えたとき, k\leqq n\leqq 2k-2 なる n に対して,
p_n=\dfrac{{}_{n-1}C_{k-1}}{2^{n-1}}
p_{n+1}=\dfrac{{}_{n}C_{k-1}}{2^{n}} なので
\dfrac{p_{n+1}}{p_n}=\dfrac{n}{2(n-k+1)}

どんな n に対してもp_n>0であるから,
\dfrac{p_{n+1}}{p_n}>1p_n < p_{n+1}
今は,\dfrac{p_{n+1}}{p_n}>1 ⇔ n < 2k-2
よって,
k\leqq n\leqq 2k-2 なる n に対して,
p_n が最大となるのは n = 2k-2のとき
ところで,
p_{2k-2}=\dfrac{{}_{2k-3}C_{k-1}}{2^{2k-3}} =\dfrac{(2k-3)(2k-4)\cdots k(k-1)}{2^{2k-3}\cdot (k-1)!}
一方
p_{2k-1}=\dfrac{{}_{2k-2}C_{k-1}}{2^{2k-2}} =\dfrac{(2k-2)(2k-3)\cdots(k+1)k}{2^{2k-2}\cdot (k-1)!} =\dfrac{(k-1)(2k-3)\cdots(k+1)k}{2^{2k-3}\cdot (k-1)!} =p_{2k-2}
よって,
k\leqq n\leqq 2k-1 においては,
n が 2k-2 または 2k-1 で,  p_n は最大となる。