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これは有志による東大直前模試2013幻の問題である。
2013東大理科第6問はこちら

底面の半径が5, 高さが12の直円錐がある。 頂点をOとする。 底面の円の中心をAとする。 (直円錐は線分OAが底面に垂直である。)
底面に直径BCをとる。
\(xy\)平面上,Oを原点,Bを\(y\)軸上に置く。
\(y\)軸上に点Hをとり,CHと\(y\)軸は垂直であるとする。
このように直円錐を置いたとき,以下の問いに答えよ。
(1) 線分HCを\(t:(1-t)\)に内分する点をTとする。
Tを通り,\(xy\)平面に平行である平面\(\alpha\)で, このように置いてある直円錐を切ったとき, 切断面の面積を\(t\)を用いて表せ。
(2) 線分HCの中点をMとする。
Mを通り,\(xy\)平面に平行である平面\(\beta\)で, このように置いてある直円錐を切る。 点Bの属する部分の体積を求めよ。
直角三角形OABにおいて,AB=5, OA=12, OB=13である。
\(\sin\angle{\rm AOB}=\dfrac{5}{13}\) より, 三角形OABでAからOBに引いた垂線の長さは,
\({\rm OA}\cdot\sin\angle{\rm AOB}=\dfrac{60}{13}\)
ゆえに,\({\rm HC}=\dfrac{120}{13}\) (\(=h\) とおく。)
平面\(\alpha\)とOCとの交点をP, BCとの交点をQとすると, \({\rm PQ}=13(1-t)\) (\(=k_0\) とおく。)
線分PQ上 \({\rm PK}=k \) となる点Kをとる。 (\(0\leqq k\leqq k_0\))
Kを通り,底面と平行な平面で円錐を切り,OA, OB,OCとの交点をD, E, Fとする。
切り口の円\(C_k\)の半径\(r_k\)は,\(\dfrac{5}{13}(13t+k)\)である。 これはEFの長さの半分である。
図1
三角形PKFとOBCは相似であり,相似比は\(k:13\) である。
ゆえに,\({\rm FK}=\dfrac{10}{13}k\) (\(=l_k\) とおく。)
この円\(C_k\)が平面\(\alpha\)を切り取る弦をUVとして, UVの長さの半分を\(d_k\)とすると,
\({d_k}^2={r_k}^2-(r_k-l_k)^2\) \(=\left(5t+\dfrac{5}{13}k\right)^2-\left(5t-\dfrac{5}{13}k\right)^2\) \(=\dfrac{100}{13}tk\)
これは切断面が放物線であることを示している。
図2図3
この放物線の方程式は, PQを\(y\)軸,Pを原点\((0,0)\), \(a=\dfrac{13}{100t}\)としたとき, \(y=ax^2\)である。
\(y=k_0\)となる\(x\)のひとつは,\(10\sqrt{t(1-t)}\)であるから,これを\(x_t\)とおくと,
求める面積\(S_t\)は, \(\displaystyle{S_t=\int_{-x_t}^{x_t} (k_0-ax^2)dx}\) \(=\dfrac{1}{6}a(2x_t)^3\) \(=\dfrac{520}{3}(1-t)\sqrt{t(1-t)}\)…(1)答え

ここで,円錐の体積を計算してみよう。

積分\(\displaystyle{I=\int_0^1(1-t)\sqrt{t(1-t)}\ dt}\)を計算する。。
\(t(1-t)=-t^2+t=\dfrac{1}{4}\left(1-(2t-1)^2\right)\)であるから, \(2t-1=\sin\theta\)とおくと,
\((1-t)\sqrt{t(1-t)}=\dfrac{1}{4}(1-\sin\theta)\cos\theta\)
ゆえに,\(\displaystyle{I=\int_{-\frac{\pi}{2}}^{\frac{\pi}{2}}\frac{1}{8}(1-\sin\theta)\cos^2\theta d\theta}\)
\(\cos^2\theta\)は偶関数,\(\sin\theta\cos^2\theta\)は奇関数だから,
\(\displaystyle{I=\frac{1}{4}\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}\cos^2\theta\ d\theta}\) \(=\displaystyle{\frac{1}{8}\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}(1+\cos 2\theta)\ d\theta}\) \(=\displaystyle{\frac{1}{8}\left[\theta+\frac{1}{2}\sin 2\theta\right]_0^{\frac{\pi}{2}}=\frac{\pi}{16}}\)
よって,体積は\(\dfrac{520}{3}\cdot \dfrac{\pi}{16}\cdot h=100\pi\)となり,円錐の体積の公式どおり。

(2) の計算にうつる。

\(\displaystyle{I_2=\int_0^{\frac{1}{2}}(1-t)\sqrt{t(1-t)}\ dt}\) とおく。
先ほどと同様に,
\(\displaystyle{I_2=\int_{-\frac{\pi}{2}}^{0}\frac{1}{8}(1-\sin\theta)\cos^2\theta d\theta}\)
\(\displaystyle{\int_{-\frac{\pi}{2}}^{0}\cos^2\theta\ d\theta}\) \(=\displaystyle{\frac{1}{2}\int_{-\frac{\pi}{2}}^{0}(1+\cos 2\theta)\ d\theta}\) \(=\displaystyle{\frac{1}{2}\left[\theta+\frac{1}{2}\sin 2\theta\right]_{-\frac{\pi}{2}}^{0} =\frac{\pi}{4}}\)
\(\displaystyle{\int_{-\frac{\pi}{2}}^{0}\sin\theta \cos^2\theta\ d\theta}\)
\(\cos\theta=s\)とおくと,この積分は,
\(\displaystyle{\int_{0}^{1}-s^2 ds}\) \(=-\displaystyle{\frac{1}{3}}\)
よって,\(I_2=\dfrac{\pi}{32}+\dfrac{1}{24}\)
体積は\(\dfrac{520}{3}\cdot I_2 \cdot h=50\pi+\dfrac{200}{3}\)…(2)答え