私は 数学 という言葉にとても愛着があります。 ですから,数学という名前を教科,科目から外すのは 本当は適当ではないと思っています。 しかし,数理科学という言葉は,長いけど響がいい。 数理科学を略して 数学なのかなと思っています。 数理には二つの意味合いを込めています。 一つは,数のことわり です。 かず だけしかないけど, かたち を含めてその性質を研究する。 もう一つは,現象の数理を探る  現象を数学的にとらえる。
 問題解決という語を繰り返しています。 生徒は 未知数を設定する → 満たすべき式をつくる → 計算で要求にこたえる という流れをしたがらない。 何かうまい手があって, ともすると 自動的に答えが出てくると思っているのではないかと 感じるくらいです。 理数科の生徒でも学力の低い生徒はその傾向が強い。
 未知数・変数を設定する → 満たすべき式をつくる  は 問題を数学に乗せる点で大変重要な流れだと思っています。 この頃は,単に角の大きさを求めるいわゆる求値問題でも  これが θ の満たすべき式である という言葉を繰り返しています。
 微分方程式に限らず 変数の満たすべき式をつくる それは予想でもよいのですが, これがまさに 現象の数理化 です。
 実は,数学の学校設定科目導入は私には先に結論ありきで, あとは,どのように理由をつけるかです。 申請時の私の作文は次のとおりです。
 SSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定の研究開発目標の一つに,数学分野における教育課程と指導方法,教材開発および授業実践事例集録を掲げた。

つづく