学校設定科目 数理科学

 ここでは,本校の学校設定科目 数理科学 について, 導入理由と内容を紹介したいと思っています。 つぶやき なので本音を書いていこうと思っています。 札幌で話をするときは,もう少しトーンを抑えようと思っています。 (あえて web page にこれを残しているのですが)
 まず,なぜSSH なのかという話です。 ただ単に,進学実績を上げる,難関大学合格者数を増やすことが つまらないことだと感じたからです。
 もう一つ挙げると,生徒,保護者は学校を信頼していない。 学校より塾を信頼している。 そんな信頼を取り戻すために,国のプロジェクトの一つくらい持ってこようと考えました。
 なぜSSH で 数学なのかという話です。 昨年,筑駒に行ってきました。 SSH数学科教員研修会でした。 筑駒のSSH は数学が中心になっている。 たぶんなんですが,SSHを申請するのは高校側からになっていますが, 指定する側と阿吽の呼吸になっています。 頑張って申請しました という高校と 黙っていても指定される高校とがあると思っています。
 お金が動くので,利権も動きますが, そこは数学より理科の人のほうが得意  高校より大学のほうが得意  東日本より西日本のほうが得意  と感じています。 でも,昨年も話をしましたが, 本当の理数教育は 数学からだと思っています。 それは,先ほどから述べているように  問題解決型学習 がこれからの中心になると思っていますし, それが一番ふさわしいのが数学だと感じているからです。 理科は問題を見つけるのは簡単だけど, それを解決するには一歩詰めが甘い。 先日,本校のSSH運営指導委員会で さかんに サイエンスの姿勢 というキーワードが 大学の先生方からありましたが, 私に言わせれば 理科は甘い。 理由は昨年述べたとおりです。
 もう一つは,やはり現状の数学教育に不満があったから。 受験のため というのが,生徒にも先生方にもあります。 それは,本音なのだけれど, うまくカムフラージュしたい。 教科書はしっかり書いてあるけど, 結局例題は入試問題のためにある気がしている。 そして,生徒も教員も教科書を超えられない。 県が,文科省が と文句を言うのなら, 自分たちで自由にできたほうが数倍楽しいものです。
 札幌で発表する人たちにはこの業界の有名人が何人かいます。
 数理科学 という名称はいろいろ誤解もあります。  一時,私の母校の数学科は,数理科学科でした。 今でも,数学科という名称を使っていない大学もあります。 英語に訳せば mathematics のようです。 よく言われるように 数学は number studies ではない。 私の感覚では,数学はほとんど哲学, 数理科学は,現象を数学的に見てみよう というニュアンスが ある気がしています。
 奈良女子大学附属中等教育学校の研究会に参加したとき, そこで 学校設定科目 数理科学 がありました。 いつか,この科目名を使ってやろうと思っていました。 まだまだ,理想とは異なっています。 現象を数学的に見てみよう 数理を解明しよう  その観点での授業は全くできていないからです。
 そんなのできるのか という話が出てきます。 できないのではないか ではなく やろう です。 それが,信頼回復に繋がるのではないか  その機会が SSH なのではないか と思っています。

つづく