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\(f(x)=\dfrac{2x-1}{x^2-2x+3}\) の最大値・最小値を求める。

よく使われるわざを用いる。

まず,この関数はすべての実数で定義されている。
f(x)=k とおく。 k のとりうる値の範囲を見てみよう。
\(x=\dfrac{1}{2}\) のとき k = 0 である。
\(f(x)=k\) ⇔ \(k(x^2-2x+3)=2x-1\) ⇔ \(kx^2-2(k+1)x+3k+1=0\)
\(k\not= 0\) を仮定して, これを x についての2次方程式と見て,
x が 実数であること ⇔ \(4(k+1)^2-4k(3k+1)\geqq 0\)
これはk=0 を解としてもつので,そのままこの不等式を解く。
\(2k^2-k-1\leqq 0\)
すなわち,\(-\dfrac{1}{2}\leqq k \leqq 1\)
f(x) は
x=2 で 最大値 1,
x=-1 で 最小値 \(-\dfrac{1}{2}\)をとる。
最大となるx の値は \(x^2-4x+4=0\) を解いている。
最小となるx の値は \(-\dfrac{1}{2}x^2-x-\dfrac{1}{2}=0\) を解いている。

解法を探究してみる。

\(\dfrac{1}{f(x)}=\dfrac{x^2-2x+3}{2x-1}=\dfrac{1}{2}\left(x-\dfrac{3}{2}\right)+\dfrac{9}{4(2x-1)}\)
\(=\dfrac{1}{4}(2x-1)+\dfrac{9}{4(2x-1)}-\dfrac{1}{2}\)
ここで, 相加平均相乗平均の大小関係を用いると
\(2x-1 > 0\)のとき,\(\dfrac{1}{4}(2x-1)+\dfrac{9}{4(2x-1)}\geqq\dfrac{3}{2}\)
等号が成り立つのは\(2x-1>0\) かつ \(\dfrac{1}{4}(2x-1)=\dfrac{9}{4(2x-1)}\) のとき, つまり 2x-1=3 すなわち x=2 のとき
\(2x-1 > 0\)においては,\(\dfrac{1}{f(x)} \geqq 1\)
よって,\(0 < f(x) \leqq 1\)   f(x)=1となるのは x=2 のとき
\(2x-1 < 0\)においては,\(\dfrac{1}{f(x)} \leqq -2\)
よって,\(-\dfrac{1}{2} \leqq f(x) < 0\)
\(f(x)=-\dfrac{1}{2}\)となるのは 2x-1=-3 すなわち x=-1 のとき

数学IIIの微分法を知っていれば,

\(f^\prime (x)=\dfrac{-(x+1)(x-2)}{(x^2-2x+3)^2}\)
増減表 全日本増減表活用促進協議会
x -∞ -1 2 +∞
f′(x) 0 + 0
f(x) −0 \(-\dfrac{1}{2}\) 1 +0
グラフ1

判別式を使う方法も知っていたほうがいいが, 数学Iでも解けますよ,といっているに過ぎないかも。

同じく相加平均相乗平均の大小関係を使ったにしても, 変形は技巧的である。 もちろんこれもできたほうがいい。

学習の段階では,いろいろな解法を知ったほうがいいと思うが,
確実な計算力がないと,いざというときには弱い。