141028 初版 141028 更新
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分点の位置ベクトル
三角形OAB がある。
\(\overrightarrow{\rm OA}=\vec{a}\),   \(\overrightarrow{\rm OB}=\vec{b}\)   とする。
すなわち,
各点の位置ベクトルの基点を O として,
点A, B の位置ベクトルはそれぞれ \(\vec{a}\),  \(\vec{b}\) である
と言っているのである。
この解釈は大切である。
線分 OA を 1:2 に内分する点を Q とすると,
O に関する Q の位置ベクトル すなわち \(\overrightarrow{\rm OQ}\) は \(\dfrac{1}{3}\vec{a}\) である。
線分 AB を 2:3 に内分する点を P とすると,
O に関する P の位置ベクトル は
\(\overrightarrow{\rm OP}=\dfrac{3}{5}\vec{a}+\dfrac{2}{5}\vec{b}\)
Pの位置は Aの位置に \(\dfrac{3}{5}\) を掛けたものと Bの位置に \(\dfrac{2}{5}\) を掛けたものを結合して得られる。
これは,次のように説明できる。
A, P, B の位置関係から,
\(\overrightarrow{\rm AP}=\dfrac{2}{5}\overrightarrow{\rm AB}\)
始点を変更して,
\(\overrightarrow{\rm OP}-\overrightarrow{\rm OA} =\dfrac{2}{5}(\overrightarrow{\rm OB}-\overrightarrow{\rm OA})\)
すなわち,
\(\overrightarrow{\rm OP}=\dfrac{3}{5}\vec{a}+\dfrac{2}{5}\vec{b}\)
また,次のようにも説明できる。
A, P, B の位置関係から,
\(\overrightarrow{\rm AP}=\dfrac{2}{5}\overrightarrow{\rm AB}\)
有向線分を継ぎ足して,
\(\overrightarrow{\rm OP}= \overrightarrow{\rm OA}+\overrightarrow{\rm AP}\) \(=\overrightarrow{\rm OA}+ \dfrac{2}{5}\overrightarrow{\rm AB}\) \(=\vec{a}+\dfrac{2}{5}(\vec{b}-\vec{a})\)
よって,
\(\overrightarrow{\rm OP}=\dfrac{3}{5}\vec{a}+\dfrac{2}{5}\vec{b}\)
よく使うことであるから,公式にしてしまう。
A(\(\vec{a}\)), B(\(\vec{b}\)) のとき,
線分AB を m : n に内分する点の位置ベクトルは
\(\dfrac{n\vec{a}+m\vec{b}}{m+n}\)
m : n に外分する場合は,m : (-n) または (-m) : n に分けるとみるとよい。
上に述べた2つの説明は,
この公式を具体的な場合について説明しているに過ぎない。
問題を解いているときに手間取っている人がいるが,
多くは,公式を導き出す過程をいちいちやっている。
一連の流れで問題を解いているときに, さっと流せるところは,流してしまわないと, 全体の流れを見失うことがあるので, 気を付けたいところである。
つづく