141108 初版 151226 更新
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等差×等比 型の和

等差×等比 型の数列と呼ばれる数列の和を求めてみる。
まず,その基本型  数列 {nrn-1} の和を求めよう。
r は 1ではないとする。

T = 1 + 2r + 3r2 + … + nrn-1
基本型の和 を一気に求める。
和を一気に求めるには,何かしらのアイディアがあるはずである。
先人のテクニックをそのまま使っていて, あとは正確に計算せよといわれる。
それなら,もっと簡単で計算間違いの少ない方法 (バニシング法) がある。
このページでは,従来のテクニックを記述する。
T - rT を考える。
1 2 3 n
T = 1 + 2r + 3r2 + + nrn-1
rT = r + 2r2 + + (n-1)rn-1 + nrn
(1-r)T = 1 + r + r2 + + rn-1 - nrn
一行目,第1項 から 第n項 まで n項 並べる。
二行目,r倍したものを n項 並べる。
したがって,

等差×等比型の基本型   T = 1 + 2r + 3r2 + … + nrn-1   とすると,
(1 - r)T = U - nrn … ☆
または
(r - 1)T = nrn - U
ここで,U = 1 + r + r2 + … + rn-1
すなわち,U は 初項 1, 公比 r, 項数 n の等比数列の和である。
基本型の和は,等比数列の和に帰着される。
一連の流れ,手法をパッケージにしたもので, よく使うものは「公式」と呼ばれる。
(☆の導き方の説明だけのページ)
普通は,この方法を覚えている。でないと,自分で考案しなければならない。
ついでに, 頭の中に結果の式 ☆ が残っていれば, なおよい。

この和の求め方をΣ記号で表す。

\(\displaystyle{T_n=\sum_{k=1}^{n}kr^{k-1}}\),  \(\displaystyle{rT_n=\sum_{k=1}^{n}kr^k =\sum_{k=2}^{n+1}(k-1)r^{k-1} =\sum_{k=1}^{n}(k-1)r^{k-1}+nr^n}\)
hence,   rTn = Tn - Un + nrn

ざっくりとした計算例はこちら