151215 初版 151215 更新

等差×等比型の和 バニシング法

1, 3・3, 5・32, 7・33, … , (2n-1)・3n-1
このような数列はよく 等差×等比 型 の数列とよばれる。

等差×等比型の和を一気に求める。 その考えを学ぼう。
和を一気に求めるには,何かしらのアイディアがある。
教科書なり参考書なり,先人からアイディアを学ぶ。 この数列の和は,計算に手間取り,出来がよくない。
先人のテクニックをそのまま使っていて, あとは正確に計算せよといわれる。
とりあえず答えは出るので, 新しいテクニック を考えようとはしなかったのかもしれない。
いわゆるひとつの パッシブ・ラーニング である。
これからの時代,計算なら機械にやらせればよい。 発想まで人工知能に頼りたくないものである。
どうせ他人のテクニックなら,もっと簡単で計算間違いの少ない方法 がある。

(1 - 2r + r2)S を考察する方法  バニシング(vanishing) 法 解説
(従来の方法 S - rS はこちら)

n 項 の和が ほんの 6 項 で表すことができる。
この方法は 2次式×等比型 ,一般に 多項式×等比型 に拡張できる。

例 1

\(S=1\cdot 1+3\cdot 3+5\cdot 3^2+\cdots +(2n-1)\cdot 3^{n-1}\)
この 和 S を求めよう。
S = 1・1 + 3・3 + 5・32 + + (2n-3)・3n-2 + (2n-1)・3n-1
-6S = - 2・3 - 6・32 - - 2(2n-5)・3n-2 - 2(2n-3)・3n-1 - 2(2n-1)・3n
9S = 1・32 + + (2n-7)・3n-2 + (2n-5)・3n-1 + (2n-3)・3n + (2n-1)・3n+1
したがって,
4S = 1 + 3 + vanishing + (-2n-1)・3n + (6n-3)・3n
すなわち, S = 1 + (n - 1)・3n

例 2

\(\displaystyle{S=\sum_{k=1}^n(4k-3)\cdot 5^{k-1}}\)
この 和 S を求めよう。
\(S-10S+25S\)
\(= (1+25)+(-2\cdot 5-2(4n-3)\cdot 5^{n}) \) \(+((4n-7)\cdot 5^n+(4n-3)\cdot 5^{n+1})\)
すなわち,
\(S=1+5^n\cdot(n-1)\)