140222 初版 200217 更新
トップページ

小数展開とは

小数についての考察は主に2方向あるが, ここでは,普通の小数展開を考える。

まずは,簡単な例
\(a=\dfrac{17}{7}\) を小数で表してみよう。
a は 帯分数で表すと \(a=2+\dfrac{3}{7}\) である。
2 < a < 3
2 を a の整数部分という。 \(\dfrac{3}{7}\) は整数に満たない はした である。
a は 2 と 3 の間のどこにあるのだろうか。
2 と 3 の間を 10等分 して a はどこにあるのだろうか。
はしたを 10倍して \(a_1=\dfrac{30}{7}\)
a1 を帯分数で表すと\(a_1=4+\dfrac{2}{7}\)
2.4 < a < 2.5
\(a=2+\dfrac{4}{10}+\dfrac{1}{10}\cdot\dfrac{2}{7}\)
2.4 と 2.5 の間を 10等分 して a はどこにあるのだろうか。
はしたを 10倍して \(a_2=\dfrac{20}{7}\)
a2 を帯分数で表すと\(a_2=2+\dfrac{6}{7}\)
2.42 < a < 2.43
\(a=2+\dfrac{4}{10}+\dfrac{2}{100}+\dfrac{1}{100}\cdot\dfrac{6}{7}\)
2.42 と 2.43 の間を 10等分 して a はどこにあるのだろうか。
はしたを 10倍して \(a_3=\dfrac{60}{7}\)
a3 を帯分数で表すと\(a_3=8+\dfrac{4}{7}\)
2.428 < a < 2.429
\(a=2+\dfrac{4}{10}+\dfrac{2}{10^2}+\dfrac{8}{10^3} +\dfrac{1}{10^3}\cdot\dfrac{4}{7}\)
2.428 と 2.429 の間を 10等分 して a はどこにあるのだろうか。
はしたを 10倍して \(a_4=\dfrac{40}{7}\)
a4 を帯分数で表すと\(a_4=5+\dfrac{5}{7}\)
2.4285 < a < 2.4286
\(a=2+\dfrac{4}{10}+\dfrac{2}{10^2}+\dfrac{8}{10^3}+\dfrac{5}{10^4} +\dfrac{1}{10^4}\cdot\dfrac{5}{7}\)
この操作は永遠に続くだろうか。
2.4285 と 2.4286 の間を 10等分 して a はどこにあるのだろうか。
はしたを 10倍して \(a_5=\dfrac{50}{7}\)
a5 を帯分数で表すと\(a_5=7+\dfrac{1}{7}\)
2.42857 < a < 2.42858
\(a=2+\dfrac{4}{10}+\dfrac{2}{10^2}+\dfrac{8}{10^3}+\dfrac{5}{10^4} +\dfrac{7}{10^5}+\dfrac{1}{10^5}\cdot\dfrac{1}{7}\)
2.42857 と 2.42868 の間を 10等分 して a はどこにあるのだろうか。
はしたを 10倍して \(a_6=\dfrac{10}{7}\)
a6 を帯分数で表すと\(a_6=1+\dfrac{3}{7}\)
2.428571 < a < 2.428572
\(a=2+\dfrac{4}{10}+\dfrac{2}{10^2}+\dfrac{8}{10^3}+\dfrac{5}{10^4} +\dfrac{7}{10^5}+\dfrac{1}{10^6}+\dfrac{1}{10^6}\cdot\dfrac{3}{7}\)
2.428571 と 2.428672 の間を 10等分 して a はどこにあるのだろうか。
はしたを 10倍して \(a_7=\dfrac{30}{7}\)
これは a1 に等しい
この操作は無限に続くが,循環する。
有理数は,有限小数か循環小数である。
小数展開とは,このように 実数 a の小数部分 b から,
\(\displaystyle{b=\sum_{n=1}^\infty p_n\cdot q^{-n}}\) なる 数列 \(\{p_n\}\) を求めること (今の場合,十進法だから q = 10)
である。
つづく