151115 初版 160420 更新
数え上げの原則
数えること と 計算すること

加法

n(A) で 集合 A の要素の個数を表す。
A∩ B が空集合ならば,
n(A∪ B) = n(A) + n(B)
ものの個数を数えるときに加法が使われる例である。
寄せ算と呼ぶことにしている。(合併,合成)
1 から10 までの整数のうち,3の倍数は 3個 ある。
11 から30 までの整数のうち,3の倍数は 7個 ある。
1 から 30 までの整数のうち,3の倍数は 10個 ある。
ものの個数を数えるときに加法が使われる例である。
足し算と呼ぶことにしている。(継足し,追加)

減法

全体集合を U とする。
\(n(\overline{A})=n(U)-n(A)\)
ものの個数を数えるときに減法が使われる例である。
残り算と呼ぶことにしている。
1 から 100 までの整数は 100個 ある。
10 から 100 までの整数は 91個 ある。
一般に,
n(A∪ B) = n(A) + n(B) - n(A∩ B)
集合の大きさを比べる際に,要素の個数の差を取ることがある。

乗法

1箱に m 個ずつ入っている箱が n 箱あるならば,
ものは mn 個ある。
男子 m 人,女子 n 人から,
男女一人ずつの組は mn 組できる。

除法

自然数において,
3の倍数は 3を最小として 3ごと にある。
1 から 100 までの整数のうち,3の倍数は 33 個ある。
a, b, c, d, e の 5文字を一列に並べる。
最初の 2文字が ab であったとき,残りの3文字の並べ方は 6通りある。
したがって,5文字 から 2文字とって一列に並べる場合の数は,
5文字すべてを一列に並べる場合の \(\dfrac{1}{6}\) である。
後ろの3文字の違いは同一視しているのである。