131026 初版 131026 更新

平面上のベクトル\(\vec{a}\), \(\vec{b}\) が \(|\vec{a}|=|\vec{b}|=1\), \(\vec{a}\cdot\vec{b}=-\dfrac{1}{2}\) を満たすとする。
(2)
平面上のベクトル \(\vec{x}\) が \(-1\leqq\vec{a}\cdot\vec{x}\leqq 1\), \(1\leqq\vec{b}\cdot\vec{x}\leqq 2\) を満たすとき、
\(|\vec{x}|\) のとりうる値の範囲を求めよ。
先ほどは
\(\vec{x}=s\vec{a}+t\vec{b}\) …①とおく。
この一行は、たった一行だが大きい。 と述べて解いた。
また、数学ですら、大学入試問題くらいになると、 解決の方法は複数あることがある。とも言った。
条件が内積で書かれて,求めるものはベクトルの大きさについてだから
内積の定義式 \(\vec{a}\cdot\vec{x}=|\vec{a}|\cdot|\vec{x}|\cos \alpha\) を使いたくなる。
\(|\vec{x}|=r\),  \(\vec{a}\) と \(\vec{x}\) のなす角を α とすると, …②
\(-1\leqq\vec{a}\cdot\vec{x}\leqq 1\) ⇔ \(-1\leqq r\cos\alpha \leqq 1\)
② とおいたときの、この言い換えまではよい。
問題はこの図形的な意味である。
先ほどは affine 座標ということで,ある意味わかりやすかった。
これは,極座標の考えである。
\(|\vec{x}|=r\),  \(\vec{a}\) と \(\vec{x}\) のなす角 α で表される点Xは、
O からの距離 r,   ∠XOA = α である点である。
r cos θ = 1 ⇔ X はA を通り 直線OA に垂直な直線上にある

先ほどの図を見て,なぜ直線OA と AQ が垂直なのかに対する説明になっている。
内積は極座標,正射影と相性がいい。
同様に、
\(|\vec{x}|=r\),  \(\vec{b}\) と \(\vec{x}\) のなす角 β で表される点Xは、
O からの距離 r,  ∠XOB = β である点である。
\(1\leqq\vec{b}\cdot\vec{x}\leqq 2\) ⇔ \(1\leqq r\cos\beta \leqq 2\)
r cos β = 2 ⇔ X はM (線分OB を2:1 に外分する点) を通り 直線OB に垂直な直線上にある
点 Q は r cos α =1, r cos β =2 を同時に満たす。
α + β = 120° に注意して
\(2 = r \cos \beta = r \cos(120^\circ - \alpha)\) \(= \dfrac{r}{2} (-\cos\alpha+\sqrt{3}\sin\alpha)\)
よって,\(4=-1+\sqrt{3(r^2-1)}\)
すなわち,\(r=\dfrac{2\sqrt{21}}{3}\)
\(|\vec{x}|\) の最小値は 点B で 1
\(|\vec{x}|\) の最大値は 点Q で \(\dfrac{2\sqrt{21}}{3}\)
\(1\leqq |\vec{x}| \leqq\dfrac{2\sqrt{21}}{3}\)

つづく