121031 初版 131208 更新
教科書などにあまり書いていないが,
問題を解くときや物理などの応用へ利用価値の高い考えである。
\(\vec{p}\), \(\vec{a}\) に対して,
\(\vec{p}=\overrightarrow{\rm OP}\), \(\vec{a}=\overrightarrow{\rm OA}\)となる3点O, A, Pをとる。
直線OA に P から 垂線PH を引く。
\(\overrightarrow{\rm OH}\) を \(\vec{p}\) の \(\vec{a}\) への正射影(正射影ベクトル)という。
参考: 三角比の定義
\(\vec{h}\) を \(\vec{p}\) の \(\vec{a}\) への正射影とするとき,
\(|\vec{h}|=\dfrac{|\vec{p}\cdot\vec{a}|}{|\vec{a}|}\)
実際,
\(\vec{p}\) と \(\vec{a}\) のなす角をθとすると,
\(\cos\theta=\dfrac{\vec{p}\cdot\vec{a}}{|\vec{p}||\vec{a}|}\)
正射影の定義により,
\(|\vec{h}|=|\vec{p}||\cos\theta|\) だから。
\(\vec{h}\) を \(\vec{p}\) の \(\vec{a}\) への正射影とするとき,
\(\vec{h}=\dfrac{\vec{p}\cdot\vec{a}}{|\vec{a}|^2}\vec{a}
=\dfrac{\vec{p}\cdot\vec{a}}{\vec{a}\cdot\vec{a}}\vec{a}\)
正射影の大きさが上の式で求められるから,
\(\vec{a}\) と同じ向きの単位ベクトル
\(\dfrac{\vec{a}}{|\vec{a}|}\) の \(|\vec{h}|\) 倍でよい。
最後の式は,おもむきがある。