130523 初版
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本来,微分の考えと 積分の考えは独自のものである。
両方とも無限の考えは入っているが, 微分の考えは,変化をとらえることに由来して, 無限小での変化の割合がベースになっている。 それに対して,積分の考えは, ある区間での関数の値の重みつき無限和がベースになっている。
定積分の定義は
区間 a ≦ x ≦ b で定義された関数 f(x) (縦軸の値)がある。
数列 a ≦ x1 < x2 < x3 < … < xk < … < xn ≦ b を与える。(横軸の値)
数列 {wk} (重み)があって, \(\displaystyle{\sum_{k=1}^nw_k=b-a}\) を仮定する。
このとき
\(\displaystyle{\int_a^bf(x)\ dx =\lim_{n\rightarrow\infty}\sum_{k=1}^nf(x_k)w_k}\)
であった。 ここで,
f(x) に対して関数 F(x) を \(\displaystyle{F(x)=\int_a^x f(t)\ dt}\)  と定める
0 より少しだけ大きい数 h をとって,
区間 \(b\leqq x\leqq b+h\) において, f(x) の最大値を M, 最小値を m とすれば,
定積分の定義によって, \(m\cdot h \leqq F(b+h)-F(b) \leqq M\cdot h\)  であるから,
したがって,
\(\displaystyle{\dfrac{d}{dx}F(x)=\lim_{h\rightarrow 0} \dfrac{F(x+h)-F(x)}{h}=f(x)}\)
教科書的にかけば
\(\displaystyle{\dfrac{d}{dx}\int_a^xf(t)\ dt=f(x)}\)
よくある教科書とは順番が逆であるが, f(x) の 積分の導関数は f(x) であることをいっている。 ニュートンとライプニッツはおそらく独自にこれに気がついた。
つまり,
F(x) を f(x) の原始関数(不定積分のひとつ)とすると,
\(\displaystyle{\int_a^bf(t)\ dt=\left[F(x)\right]_a^b=F(b)-F(a)}\)
これが,いわゆる積分法である。 原始関数が分かれば定積分の値はすぐに計算することができるが, 定積分の値の存在(積分可能)と原始関数の存在とは異なる考えである。