MathJaxがあまりにいいので,
調子に乗って書いてみる
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逆の考えは、とても基本的な考えである。
数学には逆の考えがふたつある。
ひとつは,逆の命題。
ふたつめは,
逆の対応
である。
数列と関数の考えは、ほとんど違わないと思う。
高校で考察する関数も,
表を用いて書くのがよいと思う。
xの2乗
| \(x\) | 
… | 
-3 | 
-2 | 
-1 | 
0 | 
1 | 
2 | 
3 | 
4 | 
… | 
\(a\) | 
\(-a\) | 
| \(x^2\) | 
… | 
9 | 
4 | 
1 | 
0 | 
1 | 
4 | 
9 | 
16 | 
… | 
\(a^2\) | 
\(a^2\) | 
 
この逆対応が,平方根である。
\(x^2:\ x\mapsto x^2\)の対応が2対1であるから,
逆対応は1対2である。
すなわち,
2乗して\(a\)となる数を\(a\)の平方根という。
- 
\(a\)が正の数のときは,
 
正負1つずつあって,
正のものを\(\sqrt{a}\)とかくと,
負のものは\(-\sqrt{a}\)である。
\(\sqrt{a}\)は,\(a\)の平方根のうちのひとつである。
- 
0の平方根は0だけである。
 
- 
\(a\)が負の数のときは,
 
表で考察して分かるとおり,平方根は実数にはない。
 
新しい記号が出てきた。確認しよう。
\(\sqrt{a}\)はあくまで,ひとつの数を表している。
例
4の平方根は\(2\), \(-2\)である。
5の平方根は\(\sqrt{5}\), \(-\sqrt{5}\)であり,これは有理数ではない。
9の平方根は\(\sqrt{9}\), \(-\sqrt{9}\)であるが,
\(\sqrt{9}\)は簡単にできて3
-3の平方根は実数にはない。
12の平方根は\(\sqrt{12}\), \(-\sqrt{12}\)であるが,
\(\sqrt{12}\)は\(2\sqrt{3}\)と表すことができる。
例
\(\sqrt{12}+\sqrt{27}=2\sqrt{3}+3\sqrt{3}=5\sqrt{3}=\sqrt{75}\)
例
\(\sqrt{2}+\sqrt{3}\)は\(\sqrt{5}\)より大きい。
なぜならば,\((\sqrt{2}+\sqrt{3})^2=5+2\sqrt{6}\)
実数としての性質も大切である。
\(x_1 < x_2\)である2つの正の数\(x_1\), \(x_2\)に対して,
\({x_1}^2 < {x_2}^2\)であったから,
2つの正の数\(a\), \(b\) に対して,
\(a < b\) ⇔ \(\sqrt{a} < \sqrt{b}\)
例
\(2=\sqrt{4}<\sqrt{6}<\sqrt{9}=3\)なので,
\(3+\sqrt{6}\)は5より大きく,6より小さい。
\(3-\sqrt{6}\)は正の数であるが,1より小さい。
| \(x\) | 
0 | 
1 | 
2 | 
3 | 
4 | 
5 | 
6 | 
7 | 
8 | 
9 | 
12 | 
… | 
| \(\sqrt{x}\) | 
0 | 
1 | 
\(\sqrt{2}\) | 
\(\sqrt{3}\) | 
2 | 
\(\sqrt{5}\) | 
\(\sqrt{6}\) | 
\(\sqrt{7}\) | 
\(2\sqrt{2}\) | 
3 | 
\(2\sqrt{3}\) | 
… | 
 
\(2\sqrt{3}\)について考えてみる。
まず,\((2\sqrt{3})^2=2^2\cdot(\sqrt{3})^2=12\)であるから,
\(2\sqrt{3}=\sqrt{12}\)である。
大小関係なら,\(\sqrt{12}\)のほうがよいときがある。
\(1 < \sqrt{3} < 2\)だから,\(2 < 2\sqrt{3} < 4\)であるが,
\(3 < \sqrt{12} < 4\)のほうがよりよい評価である。
\(2\sqrt{3}\)がよい場面を紹介する。
\(\sqrt{12}+\sqrt{27}\) や\(\sqrt{12}\cdot\sqrt{27}\), 
\(\sqrt{12}\cdot\sqrt{8}\) など計算の場面であるが,
集合Aを\(A=\{a+b\sqrt{3}|\ a, bは有理数\}\)とすると,
\(\sqrt{12}\in A\), \(\sqrt{27}\in A\), だが,\(\sqrt{6}\not\in A\)
指数関数を考える際に,
\(2^1=2\), \(2^2=4\), であるが,\(2^\frac{3}{2}=2^{1+\frac{1}{2}}=2\sqrt{2}\) 
と見ることも,数の感覚を豊かにする。
 
立方根へ つづく