141129 初版 141129 更新

微分と積分

微分と積分は互いに逆の操作である。
そのことに,ニュートンとライプニッツがほぼ同時に独自に気付いた。
元の数列の階差数列が導関数に例えられるが,
階差数列の項の和をとると元の数列の一般項が求められることは,
微分と積分が互いに逆だということを連想させる。

\(F(x)=\displaystyle{\int_a^xf(t)dt}\) とする。
定積分の定義によって, \(mh\leqq F(x+h)-F(x)\leqq Mh\)
(ここで,m, M は x と x+h の間における f(x) の最小値と最大値)
極限を考えると \(\displaystyle{F^\prime(x)=\lim_{h\to 0}\dfrac{F(x+h)-F(x)}{h}=f(x)}\)
教科書の公式風に書けば,
\(\displaystyle{\dfrac{d}{dx}\int_a^xf(t)dt=f(x)}\)
関数 f(x) に対して, 導関数が f(x) である関数 F(x),
すなわち, F'(x) = f(x) を満たす F(x) を f(x) の原始関数という。
C を定数として f(x) の原始関数のひとつを F(x)とすれば,
(F(x) + C)' = f(x)
原始関数の族を f(x) の不定積分という。
\(\displaystyle{\int f(x)dx = F(x)+C}\)
定積分の定義によって, \(\displaystyle{\int_a^a f(x)dx = 0}\)
F(x) を f(x) の原始関数とすると, \(\displaystyle{\int_a^b f(x)dx = F(b)-F(a)}\)
なぜなら, \(S(x)=\displaystyle{\int_a^x f(t)dt}\) とおくと
S'(x) = f(x)
つまり,f(x) の原始関数のひとつを F(x) とすれば,
S(x) = F(x) + C (Cはある定数)
S(a) = 0 より C = -F(a)
よって,S(b) = F(b) - F(a)
このように,原始関数を使って積分する技術を積分法という。