140227 初版 140227 更新
証明図式 1
A = B をいうためには,
(証明)
A = T1 = T2 = T3 = … = Tn = B
(終)
A から 少しずつ式を変形していって B に近づけていくものである。
これが,等式の証明の基本形である。
B から始めて A に近づけていくものもある。
等式 \((a^2+b^2)(x^2+y^2)=(ax+by)^2+(ay-bx)^2\) が成り立つことを証明せよ。
(証明)
\((a^2+b^2)(x^2+y^2)\) \(=a^2x^2+b^2x^2+a^2y^2+b^2y^2\)
\(=a^2x^2+2abxy+b^2x^2+a^2y^2-2abxy+b^2y^2\) \(=(ax+by)^2+(ay-bx)^2\)
(終)
2つめから3つめへの式の変形は答えを知っているからである。
A と B の間にこの2ステップくらいは入れたい。
正しいことを説明するのだから,結論は分かっている。
私たちが要求するのは,説明をしっかりと書くこと。
さらにいえば,
高校数学では,数や形を題材にして,
結論に至る筋道を考え,それを説明することを学んでほしい。
この変形は多少強引である。
A と B の式の複雑さが同程度だからである。
証明図式1はA, B の複雑さに明らかな差があるときに有効なようだ。