131116 初版 131116 更新
0 ≦ θ < 2π において,
等式 \(\sin\left(2\theta+\dfrac{\pi}{3}\right)=\cos\theta\)
を満たす θ を求めよう。

イメージとしては,この図である。
方程式を解く基本は,同じ土俵にのせることである。
左辺,右辺とも sin で表したとして,
α = β は sin α = sin β の十分条件であることは 明らかであるが,
必要条件ではない。
必要条件を求めてみよう。
まず,

(1)

sin は周期 2π をもつから,β = α + 2π
一般には 整数 n に対して α - β = 2nπ … ①
公式では sin (θ + 2π) = sin θ と表される。
私たちは周期というと
どんな x に対しても f(x + p) = f(x) なる p のことと とらえるが,
f(x) が周期 p をもつ関数として,
x1 - x2 = np なる 整数 n が存在する ならば, f(x1) = f(x2)
のように,差が 周期の整数倍という考えは大切である。

次の系統は独特である。

(2)

正弦曲線は \(x = \dfrac{\pi}{2}\) に関して対称である。
\(\dfrac{\alpha+\beta}{2}=\dfrac{\pi}{2}\)  すなわち α + β = π
これは,いわゆる補角の公式 sin (π - θ) = sin θ である。
この系統を一般化しよう。
α + β = π
β を1周期分スライドしたものを考えて,
α + (β - 2π) = π  すなわち α + β = 3π
一般には 整数 n に対して α + β = (2n+1)π … ② と表される。
補角の公式を周期だけスライドして sin (3π - θ) = sin θ

0 ≦ θ < 2π において,θ を求めるのだが,
途中では 2周期,3周期分考えなければならないことがある。
そのあたり,ちょっと弱いなと思う。
cos を sin に表すのだが,公式がたくさんある。
\(\cos\theta = \sin\left(\dfrac{\pi}{2}-\theta\right)\) (余角の公式) …③
\(\cos\theta = \sin\left(\dfrac{\pi}{2}+\theta\right)\) (直交性) …④
④ は次のように書くことも多い。ただ,足す順序を変えているだけだが。
\(\cos\theta = \sin\left(\theta+\dfrac{\pi}{2}\right)\) (直交性) …④
③ ④ より,
\(\sin\left(\dfrac{\pi}{2}-\theta\right) = \sin\left(\dfrac{\pi}{2}+\theta\right)\) が成り立つが
これは補角の公式 sin (π - θ) = sin θ と同値である。
なぜなら
補角の公式 sin (π - θ) = sin θ は
α + β = π ならば sin α = sin β と言い換えられる
\(\left(\dfrac{\pi}{2}-\theta\right) +\left(\dfrac{\pi}{2}+\theta\right)=\pi\)  だから
つづく