121222 改訂
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「一応正確に描いた図を見れば真であることが明らかな命題」 をもとに高校生向きの幾何学を構成していく。

一様に平らな平面の上の図形を考える。
まず問題になるのは,点をどのように表現するかである。
原点Oを用意する。
次に,原点で交わる2直線を用意する。
2直線は偏りなく交わっている,すなわち,直交しているとする。
その2直線をx軸,y軸と名づける。
x軸上に点X, y軸上に点Yをとり, OX=OY=1とする。
また,XとYの位置関係は線分OXをOを中心に反時計回りに回転してOYと重なるということにする。
Oからみて点Xの向きをx軸の正の向き, Oからみて点Yの向きをy軸の正の向きという。

余談だが,反時計回りとは不自然だと思うかもしれない。
空間図形を座標で表した場合,これに加えてさらにz軸を取るのだが,
このように,x軸の正の向きを右,y軸の正の向きを上に取ると, z軸の正の向きは奥から手前への向きとして,右手系で定めている。
逆にz軸を手前から奥への自然な進行方向(前進)に定めると, x軸の正の向きは左,y軸の正の向きは上(重力の向きと逆)である。
このとき,線分OXをOを中心に回転してOYと重ねるためには時計回りに回転している。 だから,右手系というのである。
x軸の正の向きを親指の付け根から爪への向き, y軸の正の向きを人差し指の爪への向き, z軸の正の向きは中指の爪への向きとして,
右手は,爪を上にして手の甲を自分に向けたときに,親指,人差し指,中指の順に, 左から右へ並ぶ。

図による可視化もいいが,
幾何学では, 共通理解の下の言葉をきっちりと操ることが大切である。
幾何学は数学の原点である。
このように,数学を構成していくのが,siteの目標である。

話を簡単にするために,直線,半直線,線分のほかに, 有向線分(矢印,矢線)を導入するとよい。
例えば, 線分OAがあるとき,
OからAに向かう有向線分を\(\overrightarrow{\rm OA}\)とかく。

ベクトルは けしからんなんてとんでもない。 これは小学生でも十分理解できる。 ものの思想こそ,スパイラルに学習するべきである。

x軸,y軸のある平面をxy座標平面と呼ぶ。
点Pがあったとき,Aをx軸,Bをy軸にとって, 長方形OAPBを作る。
OAの長さ(OA=a 向きを込めて)をPのx座標, OBの長さ(OB=b 向きを込めて)をPのy座標という。
点Pと実数2つの組(a,b)が1対1に対応する。