130104 初版 140908 更新
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「一応正確に描いた図を見れば真であることが明らかな命題」 をもとに高校生向きの幾何学を構成していく。
確かに高校の数学は理論を構成していく楽しさがある。
いろいろな場面がある。
生徒と一緒に数学が作って行けたら,それは最高である。

ベクトルってなんだろう。
数学に限らず,概念というものは, 勉強し終わってから己の頭の中に出来上がるものだと思うので,
答えは人によって違うし, 最初からあるものでもない。

ベクトルは,大きさと向きをもつものである。
世の中で使われるベクトルという言葉は,それでほぼ合っていて,
しばらくは矢印だと思って間違いない。
2点A, Bがあったとき,
AからBへの有向線分を \(\overrightarrow{\rm AB}\) とかく。
教科書にはうまいこと書いてあって、
有向線分から位置の情報を除いたものをベクトルという。
つまり、ベクトルは 有向線分の代表系である。
2つのベクトル 平行移動で重なるとき,またそのときに限り, この2つのベクトルは等しいという。

ベクトルがけしからんなんてとんでもない。 これは小学生でも十分理解できる。 ものの思想こそ,スパイラルに学習するべきである。
例えばLOGO

例として,
平行四辺形ABCDがあったとき,

2つのベクトル\(\overrightarrow{\rm AB}\),  \(\overrightarrow{\rm DC}\) は等しい。
\(\overrightarrow{\rm AB}=\overrightarrow{\rm DC}\)
\(\overrightarrow{\rm AB}\) と \(\overrightarrow{\rm CD}\) は等しくない。
\(\overrightarrow{\rm AB}=\vec{a}\) とおくと,  \(\overrightarrow{\rm DC}=\vec{a}\)
\(\vec{a}\) は \(\overrightarrow{\rm AB}\) と等しい矢印の「代表」と見ることができる。
このように矢印の集合に構造を入れていく。