放物線

170105 初版 170122 更新

定義

 ある定点F (焦点 focus) と 定直線ℓ (準線 directrix)があって, F からと ℓ からとの距離が等しい点の軌跡を放物線といいます。

直交座標による表示

放物線上の点を P(x, y)
焦点 F(p, 0), 準線 ℓ: x = -p とします。
このとき,x 軸は 放物線の軸 になっています。
x, y の満たすべき式は
\(\sqrt{(x-p)^2+y^2}=x+p\) … ①
① を整理します。
\((x-p)^2+y^2=(x+p)^2\)
\(y^2=(x+p)^2-(x-p)^2\)
ゆえに,y2 = 4px

放物線と長方形

A(4p, 4p) は, 放物線 y2 = 4px … ② 上の点です。
A(4p, 4p), B(4p, -4p), C(0, -4p), D(0, 4p) として,
長方形ABCD を補助的に使うと比較的きれいに描くことができます。
焦点は F(p, 0), 準線は ℓ: x = -p であることに, 改めて留意しましょう。

接線の方程式

放物線 y2 = 4px … ② 上の点 T\((x_1,y_1)\)における 接線の方程式は
\(y_1y = 2p(x+x_1)\) … ③
接線の方程式を求めてみます。
\(y^2=4px\) と \(y=mx+n\) との連立方程式が
重解\((x,y)=(x_1,y_1)\) をもつとします。
m は 0 でないことに注意します。
x を消去して,\(y^2=\dfrac{4p}{m}(y-n)\)
2次方程式の解と係数の関係より,\(2y_1=\dfrac{4p}{m}\)
よって,\(m=\dfrac{2p}{y_1}\)
接線の方程式は,\(y=\dfrac{2p}{y_1}(x-x_1)+y_1\),  \({y_1}^2=4px_1\)
すなわち,\(y_1y=2p(x+x_1)\)
微分法を使ってみます。
② の両辺を x で微分すると,
\(2y\dfrac{dy}{dx}=4p\)
ゆえに,\(\dfrac{dy}{dx} = \dfrac{2p}{y}\)
したがって,接線の傾きは \(m = \dfrac{2p}{y_1}\)
直線 ③ と y 軸との交点の y 座標を求めてみましょう。
\(y=\dfrac{2px_1}{y_1}\),  \({y_1}^2=4px_1\)
ゆえに,\(y = \dfrac{y_1}{2}\)
図をきれいに描くことができます。

放物線の性質

直線 ③ と x 軸の正の向きとのなす角を θ とします。
すなわち,\(\tan\theta=\dfrac{2p}{y_1}=\dfrac{y_1}{2x_1}\)
このとき,\(\tan 2\theta=\dfrac{4py_1}{{y_1}^2-4p^2}\) \(=\dfrac{y_1}{x_1-p}\)
これは, 直線FT と x 軸の正の向きとのなす角が 2θ であることを示しています。
つまり,
放物線上に任意の点 T をとり,
Tにおける接線に沿って鏡を置いたとして,
Tに向かって放物線の軸に平行な光線を当てると,
反射光は必ず焦点を通るということです。