131020 初版 131020 更新

ちょっと複雑な問題になると、原点に帰るものがある。
図形の問題だと、三角比の定義 に帰る問題が多い。
公式を知っているかというより、 公式にいたる見方を知っていたほうがいいようである。
数学理論を再現していく。

私は小学生のころ三角比の定義 を知ったときに、 すぐに 第1余弦定理, 三角形の面積 を導き出した。
そんな話を学生時代、師匠の橋本先生にしたら、 師匠は この頁のように加法定理を導いたという。
当時の私は、それが 師匠のこれまでに結びついているのを直感した。 このあたりは数学セミナー2013年5月号に詳しい。

図のように、三角形ABC(Bは直角ではないとしよう)の点Cから対辺ABに垂線CHをひく。
三角形の辺の表し方の約束によって、
BC = a,  CA = b,  AB = c
正弦定理  \(\dfrac{a}{\sin A}=\dfrac{b}{\sin B}=\dfrac{c}{\sin C}=k\)
k はもちろん三角形ABCの外接円の直径の長さである。
a = k sin A, b = k sin B, c = k sin C … ①
ところで、
A + B + C = 180° で、
三角関数の性質B  sin (180°-θ) = sin θ だから
sin C = sin (A+B) … ②
さらに、
第1余弦定理より、
c = b cos A + a cos B … ③
① ② ③ より、
k sin (A+B) = k sin B cos A + k sin A cos B
すなわち sin (A+B) = sin A cos B + cos A sin B
これは感動する。
確かに、30° と 45° から 105° の対辺の長さを求めるにはこうする。