内分点・外分点の位置ベクトル

170902 初版 170902 更新
 内分点・外分点の位置ベクトルを考えてみます。 3点が同一直線上にある条件 と実質同じことです。
 昨今,深い学びというのがキーワードになっています。
同じものを見ているのだ,同じものを異なる見方をする, 反対に一見異なるものから,同じものを見つける
ことかな,と思っています。
 線分AB を 5等分 した点を考えて, A から 近い順に
P1, P2, P3, P4 とします。
\(\overrightarrow{\rm AP_2}=\dfrac{2}{5}\overrightarrow{\rm AB}\) が成り立ちます。
A, B の位置ベクトルをそれぞれ,\(\vec{a}\), \(\vec{b}\) として, 始点変更公式を使うと,
\(\vec{p_2}-\vec{a}=\dfrac{2}{5}(\vec{b}-\vec{a})\)
すなわち, \(\vec{p_2}=\dfrac{3}{5}\vec{a}+\dfrac{2}{5}\vec{b}\)
P3 については,
\(\overrightarrow{\rm AP_3}=\dfrac{3}{5}\overrightarrow{\rm AB}\) が成り立ちます。
始点変更公式を使うと,
\(\vec{p_3}-\vec{a}=\dfrac{3}{5}(\vec{b}-\vec{a})\)
すなわち, \(\vec{p_3}=\dfrac{2}{5}\vec{a}+\dfrac{3}{5}\vec{b}\)
\(\vec{a}\), \(\vec{b}\) の係数を拾ってくると,
A P1 P2 P3 P4 B
係数 [1, 0] \(\left[\dfrac{4}{5},\dfrac{1}{5}\right]\) \(\left[\dfrac{3}{5},\dfrac{2}{5}\right]\) \(\left[\dfrac{2}{5},\dfrac{3}{5}\right]\) \(\left[\dfrac{1}{5},\dfrac{4}{5}\right]\) [0, 1]
線分AB を 3 : 1 に外分する点Q については, \(\overrightarrow{\rm AQ}=\dfrac{3}{2}\overrightarrow{\rm AB}\) が成り立ちます。
始点変更公式を使うと,
\(\vec{q}-\vec{a}=\dfrac{3}{2}(\vec{b}-\vec{a})\)
すなわち, \(\vec{q}=-\dfrac{1}{2}\vec{a}+\dfrac{3}{2}\vec{b}\)
3: (-1) に内分する点とみることができます。
線分AB を 1 : 3 に外分する点R については, \(\overrightarrow{\rm AR}=-\dfrac{1}{2}\overrightarrow{\rm AB}\) が成り立ちます。
始点変更公式を使うと,
\(\vec{r}-\vec{a}=-\dfrac{1}{2}(\vec{b}-\vec{a})\)
すなわち, \(\vec{r}=\dfrac{3}{2}\vec{a}-\dfrac{1}{2}\vec{b}\)
(-1) : 3 に内分する点とみることができます。
線分CD を 2 : 3 に内分する点P について, \(\overrightarrow{\rm CP}=\dfrac{2}{5}\overrightarrow{\rm CD}\) ですが,
始点変更公式を使って, B を始点とするベクトルで書くと, \(\overrightarrow{\rm BP} =\dfrac{3}{5}\overrightarrow{\rm BC} +\dfrac{2}{5}\overrightarrow{\rm BD} \) が成り立ちます。
 これを,
B からの 位置ベクトルについての関係式
とみることができたら, 位置ベクトルの理解が深まってきたといえます。 図形における有向線分は, 始点に位置ベクトルの基準点の意味が込められていることがあります。
 点Pについて,
(P の pvec) = \(\dfrac{3}{5}\)(C の pvec) + \(\dfrac{2}{5}\)(D の pvec)
は,C, D, P の位置関係を記述している関係式といえます。