等差数列の和

160514 初版 161103 更新
数列 {an}: 1, 4, 7, 10, 13, 16, ……
初項は1, 項に3 ずつ加えて得られる数列です。 自然数で,3で割って1余る数を小さい順に並べたといっても同じことです。
初項1, 公差3 の等差数列です。
an = 3n - 2 ですから,100はこの数列の第34項です。
S = 1 + 4 + 7 + 10 + …… + 100
を一気に求めてみます。
{an}: 1, 4, 7, 10, ……, 100
逆順に並べた数列を考えます。
{bn}: 100, 97, 94, ……, 1
この和は,S と等しいです。
an+1 = an + 3, bn+1 = bn - 3 ですから, an+1 + bn+1 = an + bn
したがって,
\(\displaystyle{2S=\sum_{k=1}^na_k+\sum_{k=1}^nb_k}\) \(\displaystyle{=\sum_{k=1}^n(a_k+b_k)=n(a_1+b_1)}\)
ゆえに,\(S=\dfrac{1}{2}\cdot 34 \cdot (1+100)\)
 一般に, 等差数列 {an} について, 初項から第n 項までの和は
\(\dfrac{1}{2}n(a_1+a_n)\) であることが分かります。
例1:
初項1, 末項51, 項数100の等差数列の和は,
\(\dfrac{1}{2}\cdot 100\cdot(1+51)\)
例2:
初項1, 公差5の等差数列の初項から第n項までの和は,
\(\dfrac{1}{2}n(1+(5n-4))\)
例3:
\(\displaystyle{\sum_{k=1}^n(3k+1)}\) \(=\dfrac{n(4+(3n+1))}{2}\)
一般項が1次式であるΣ計算は,等差数列の和の公式を使うとよいでしょう。 覚えることをなるべく少なくする, 少ないことをなるべく多方面に使えるようにする, いろいろなところで使われるものの共通点をまとめようとする, 数学の教えてくれることだと思っています。
例4:
\(\displaystyle{\sum_{k=1}^{n-1}(4k-3)}\) \(=\dfrac{(n-1)(1+(4n-7))}{2}\)
第n 項が 4n - 3 ならば,第n-1 項は 4n - 7です。 n に n-1 を代入してもよいですが, 公差が4 であることも使えるようになるとよいです。