一番上の段(第 0段とします。)に,0, 1, 0 の3つの数を書きます。
両端以外は右上から左上の数を引いて下の段の数を作ります。
つまり,その段の数列の
階差数列を下の段に書きます。
両端には 0をつけます。
このような規則で作られる数の配列を
交代パスカル三角形 と呼ぶことにします。
作成規則を式で表すと,
第 n段 r番目(左の1を 0番目とする。)の数を
A
n,r とかいたとき,
A
n,r =
A
n-1,r -
A
n-1, r-1 です。
A
n,r = (-1)
rnC
r …① が成り立ちます。
このことを
数学的帰納法により証明します。
まず,\(A_{1,0}=1\), \(A_{1,1}=-1\) ですから,
\(A_{1,0}=(-1)^0{}_1{\rm C}_0\),
\(A_{1,1}=(-1)^1{}_1{\rm C}_1\) が成り立つことがいえました。
次に,
\(A_{n,r}=A_{n-1,r}-A_{n-1,r-1}\)
\(=(-1)^r{}_{n-1}{\rm C}_r-(-1)^{r-1}{}_{n-1}{\rm C}_{r-1}\) (帰納法の仮定)
\(=(-1)^r\left({}_{n-1}{\rm C}_r+{}_{n-1}{\rm C}_{r-1}\right)\)
\(=(-1)^r{}_{n}{\rm C}_r\) (
nC
r の関係式)
したがって,① が成り立つことがいえました。
二項係数の交代和については,
\(\displaystyle{\sum_{r=0}^n(-1)^r{}_n{\rm C}_r=0}\) …②
が成り立ちます。
このページの記法では,
\(\displaystyle{\sum_{r=0}^nA_{n,r}=0}\)
これは,
階差数列から元の数列を復元する方法より直ちに出ます。
\(\displaystyle{\sum_{r=0}^nA_{n,r}=A_{n-1,n}=0}\)