121121 初版

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数学的活動の一場面

~整数の性質において~
http://goo.gl/MFRFj

数学的活動とは

数学の授業はすべて数学的活動でなければならないと思っています。
黒板を写すのが,数学的活動でしょうか?
例題を覚えて,数学の問題を解くのが,数学的活動でしょうか?
数学の実験をするのが,数学的活動でしょうか?
私の考える数学的活動は,
実験・観察→仮説・定式化→推論→公式・定理→問題解決の場面の一連の流れだと思っています。
そこでの教師のかかわりはなんでしょう?
文部科学省の見解
そんなことしていたら,受験で勝てない?
合格するために対策するのは,大学に気に入られようとしているだけ。
対策マニュアルより,攻めなのは,受験も恋愛も人生も同じでしょう。
毎日問題を与えて,考えさせて,回収・添削するだけで,
入試問題には対応できそうです。
従来のような,
例題をやってみせて,類題が解けるようにする指導を
完全否定するものでもありません。

数学とは

現象から条件を整理して仮設として,
そこから終結に向かって推論する思考活動全体
と,私は定義しています。
数と図形が対象となることが多いです。
無味乾燥がいいところです。
小平邦彦先生の著書,幾何への誘いにあった言葉で,
仮設と終結は,旧制中学の数学用語で
今は仮定と結論というものです。
よくいわれる数学の四分野の区分けは現代でも意味があると思います。

数学を学ぶとは

計算だけが数学ではないけれど,
計算がちゃんとできることは大切なことだと
改めて思っています。
論を推し進めることはやはり難しい。
でも,計算は練習すればなんとかなる。
そして,直感(直観)を補い,修正することができる。
ですが,数学を学ぶとは,
やはり,数や図形を題材にして,
考える,表現することを学ぶことで,
とても大切な教科です。
なかなか,わかってくれないけど。
その意味で,幾何学はすばらしい教材だと思います。
数論もとてもすばらしい。
ですが,世の中の役に立つという側面では,
自然科学や社会科学への応用と切り離すわけにはいかない。
だから,図形の計量や解析学,統計学があります。

数学を教えるとは

例題の解き方を分かりやすく生徒に伝えればいいのでしょうか?
板書がうまければいいのでしょうか?
それらができるに越したことはないけれど。
生徒は類題が解けるようになればいいのでしょうか?
できるに越したことはないけれど。
3年生を担当していると, センター試験明けの月曜日をハラハラしながら迎えます。
こんな問題やってないけど,生徒は解けただろうか?
案外解けているものです。
国語や英語もそうだけど, 数学も知識を教えているのではない。
あの会社の模擬試験で高得点をとるのは,案外簡単。 定期試験の次に簡単。
大集団が相手だとどうしても一般的な質問になってしまうようです。
だけど,ある会社の模試は面倒ですね。
大学入試もそうですね。 難関大学になるほど,見たことのある問題ばかりを出したら, 世間に笑われるので,出題者も大変でしょう。
一度きりの授業改善ではなく,
3年間の講義録を作ろうと考えています。
小中学校の教科書はおもしろい。
高校の教科書は,先生に期待しすぎている気がします。
教科書どおりではあまり面白くない。

整数の性質で何を教えるか

教材研究は,単に予め問題を解いておいたり,
板書計画を立てたりするだけではありません。
数学Iに実数の章がありますが,何を教えればいいのでしょうか?
絶対値や整数部分・小数部分は定番ですが, 何で教材として取り上げられているのでしょうか?
整数の性質は数研出版の教科書によると,
私はこの分野では,
数列の考え(逐次的・帰納的な考え),
数学的な現象における数理とその定式化,
その予想を証明するということ
作用,変換,群の考え
が学んでほしいことかなと思っています。
こんなことを考えることが教材研究の中で大切なことだと思っています。
遠山啓先生の著書,代数的構造からヒントをもらいました。
理科との兼ね合いでは, 自然現象における数理を学ぶ場面もあるということの対比です。
小平先生は,旧制中学のカリキュラム,
特に図形の科学にこだわりがあるようで,
そこで論証を学び,それが数学を学ぶ価値だということを訴えているように感じます。
この整数の性質でも論証,表現の指導も気にしたいところです。
具体的な数理は,\(\mathbb{Z}/n\mathbb{Z}\)の理論,特に
先日の教育課程講習会でのT先生のリフルシャッフルは
\(\mathbb{Z}/n\mathbb{Z}\)において2の\(m\)乗が引き起こす現象と数理化することができます。
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