160108 初版 160108 更新

正弦定理

三角形ABC において,辺BC の長さを a で表す。b, c についても慣例に倣う。 次の式が成り立つ。
\(\dfrac{a}{\sin A}=\dfrac{b}{\sin B}=\dfrac{c}{\sin C}=2R\)
ここで,R は三角形ABCの外接円の半径の大きさである。
正弦定理は
a : b : c = sin A : sin B : sin C と書いても同じである。
1 : 1 : \(\sqrt{2}\) は 直角二等辺三角形について,
また,1 : \(\sqrt{3}\) : 2 は 正三角形の「半分」の直角三角形について,
正弦定理を唱えているといえる。
(参考 有名な角の三角比の値)

証明

三角形ABC で,C から直線AB に垂線CH を下す。 辺AB を底辺と見たときの高さが CH である。
三角形ACH において,CH = b sin A
三角形BCH において,CH = a sin B
したがって,b sin A = a sin B
すなわち,\(\dfrac{a}{\sin A}=\dfrac{b}{\sin B}\)
A は鋭角であると仮定する。
三角形ABC の,外接円ABC について。 弧BC についての円周角は等しいから, 円周上の点A′ で, ∠BAC = ∠BA′C かつ A′B は直径となる点がとれる。
このとき,BC = 2R sin A が成り立つ。