121223 初版
トップページ

2の2乗, 3乗, 4乗, …と自然数乗は自然に考えることができる。
\(2^n=2\cdot 2\cdots 2\cdot 2\) (n個の積)
nが自然数でないとき,例えば,0とか負の整数とか,
\(2^n\)にどのような意味を持たせればよいのか。
いつものように,数学を 構成 していく。

数列と関数の考えは、ほとんど違わないと思う。
高校で考察する関数も, 表を用いて書くのがよいと思う。
ただ,高校での数列には第1項より前がないのが大きな違いである。

2のn乗
\(n\) 1 2 3 4 5 6 7 8
\(2^n\) 2 4 8 16 32 64 128 256

nをひとつずつ大きくすると, \(2^n\)は2倍になる

\(x\) m n m+n
\(2^x\) M N X

ここで \(M=2^m\), \(N=2^n\), \(X=2^{m+n}\)
\(2^m\cdot 2=2^{m+1}\) これを繰り返して\(MN=2^m\cdot 2^n=2^{m+n}=X\) を得る
指数法則
\(x\) m n m+n
\(2^x\) M N MN

ここで \(M=2^m\), \(N=2^n\), \(MN=2^{m+n}\)
(A) \(2^m\cdot 2=2^{m+1}\) これを繰り返して\(2^m\cdot 2^n=2^{m+n}\) を得る
(B) \(2^m\cdot 2^m=2^{2m}\) これを繰り返して\((2^m)^n=2^{mn}\) を得る

nをひとつずつ大きくすると, \(2^n\)は2倍になる
ならば,nをひとつずつ小さくすると, \(2^n\)は2分の1になる

2のn乗
\(n\) -3 -2 -1 0 1 2 3 4
\(2^n\) \(\dfrac{1}{8}\) \(\dfrac{1}{4}\) \(\dfrac{1}{2}\) 1 2 4 8 16

したがって,このように,

\(a^0=1\),  \(a^{-1}=\dfrac{1}{a}\)
自然数 n に対して,\(a^{-n}=\left(\dfrac{1}{a}\right)^n=\dfrac{1}{a^n}\)
と拡張するのが妥当である。
指数法則 より, \(a^{m-n}=\dfrac{a^m}{a^n}\) であるが,
拡張は,これを満たしている。
したがって, 指数法則 はすべての整数で成り立つ。

つづく